ハンドメイド

エンボスヒーターなし!レジンの気泡の抜き方と失敗しないコツ

レジン作品を作っている最中、「うわっ、気泡だらけ…でもエンボスヒーターなんて持ってない!」と焦ってしまうこと、ありますよね。

お気に入りのモールドにレジン液を流し込み、キラキラのホログラムや可愛いパーツを丁寧に配置して、「さあ、あとはライトで固めるだけ!」と意気揚々と覗き込んだ瞬間、無数の気泡を発見したときのあの絶望感。これは、ハンドメイドを楽しむ多くの人が必ず一度は経験する通過儀礼のようなものです。

「エンボスヒーターがあれば一瞬で解決できるよ」と、SNSや動画サイトのチュートリアルでは簡単に言われています。確かにその通りなのですが、レジンを始めたばかりの頃や、たまの休日にしか作らないという場合、数千円する専用の道具をわざわざ買い足すのは少しハードルが高いですよね。

「本当にこれからもずっとレジンを続けるかわからないし…」「ただでさえモールドやパーツでお金を使ってしまったのに…」「これ以上、作業机に道具を増やすスペースがない」と、購入をためらう気持ちは痛いほどよく分かります。

 

実は、わざわざ専用のヒーターを買わなくても、家にある身近な道具やちょっとした工夫を凝らすだけで、憎き気泡は綺麗に消すことができるのです。

私自身もレジンを始めたての頃は、専用の道具なんてUVライト以外は一切持っておらず、気泡だらけの濁った作品を前に途方に暮れた経験が山ほどあります。

初めて挑戦した推し活用のイニシャルキーホルダーは、気泡がまるで炭酸水のように入り込んでしまい、推しの名前が泡で見えなくなるという大失敗をしてしまいました。あの時の悲しさと悔しさは今でも忘れられません。

それからというもの、何度も失敗を繰り返す中で、「どうにかして家にあるものだけで気泡を撲滅できないか」と、色々な方法を試行錯誤してきました。その結果、エンボスヒーターに頼らなくても、驚くほど透明感のある作品を作れる技術を身につけることができたのです。

 

本記事では、過去の私のように気泡で悩んでいるあなたへ向けて、エンボスヒーターなしでレジンの気泡を撃退する裏技から、そもそも気泡を作らないコツ、失敗した後の直し方までを徹底解説します。

手元にある道具と少しの知識、そしてほんの少しの忍耐力だけで、見違えるように透明感のある美しいレジン作品が作れるようになりますので、ぜひ最後までじっくりと読んで、今日からのレジン作りに役立ててください。

 

ポイント

  • エンボスヒーターはドライヤーやライターなどの身近な道具で代用可能
  • ドライヤーを使う際は弱風で距離を離しホコリの飛散を防ぐ
  • 爪楊枝を使うなら気泡を潰すのではなくすくい取る
  • ライターで炙る時は火を近づけすぎずサッと短時間で済ませる
  • 冬場の硬いレジン液は湯煎で温めてサラサラにする
  • 放置して気泡を抜く時はタッパー等のホコリよけカバーを被せる
  • ドライフラワー等のパーツには事前にレジン液をコーティングしておく
  • 気泡を作らないために混ぜる時はゆっくり丁寧に一方向へ動かす
  • 100均レジン液で気泡が抜けない場合はサラサラな低粘度タイプに変更する
  • 硬化後にできた気泡の穴は少量のレジン液を重ねて埋めて直す

 

 

1. 今すぐできる!エンボスヒーターなしで気泡を抜く4つの代用アイデア

作業中に気泡が入ってしまった場合、家にあるもので今すぐ解決する方法を解説します。

そもそも、レジン液の中に気泡が留まってしまうのは、液にとろみ(粘度)があるからです。ドロドロの液体の中に空気が閉じ込められ、自力で水面まで上がってこれない状態、といえばイメージしやすいでしょうか。

レジン液の中に閉じ込められてしまった空気を外に逃がすためには、いくつかの物理的なアプローチがあります。専用のヒーターがなくても、温めて液をサラサラにしたり、直接すくい取ったり、熱で弾けさせたりといった工夫で十分に対応可能です。

ここでは、今すぐに実践できる4つの代用アイデアを、失敗しないための細かいコツとともに詳しくご紹介していきます。

 

ドライヤーの弱風で温めて気泡を抜く

ドライヤーの温風でレジン液を温めて気泡を抜く方法です。

レジン液は、温度が上がると粘度が下がり、まるで水のようにサラサラになるという性質を持っています。冷蔵庫に入れてカチカチになったハチミツが、温かい部屋に置いておくとトロトロになるのと同じ原理ですね。

液がサラサラになると、それまでドロドロの液に阻まれて身動きが取れなかった気泡たちが、スルスルと水面に向かって浮き上がってきて、自然に表面でパチンと弾けて消えてくれます。

この原理を利用して、どこのご家庭にも必ずあるヘアドライヤーの温風を当てるのが、一つ目の有効な裏技です。

 

ただし、ドライヤーを使う際に最も気をつけなければならないのが、風の強さのコントロールです。

風圧で液が飛び散ったりホコリが入ったりしないよう、「弱風設定」にし、モールドから15センチから20センチほど離して当てる正しい当て方を解説します。

ドライヤーのスイッチを入れる前に、必ず風量が一番弱い「弱(SETやLOWなど)」の設定になっているか、何度も確認してください。

いきなり至近距離で「強(TURBOやHIGH)」の風を当ててしまうと、本当に大惨事になります。

私自身、過去に横着をして強風を当ててしまい、せっかく流し込んだレジン液がモールドから大津波のように溢れ出し、作業机の上がベタベタの海になったことがあります。おまけに周囲の細かいホコリを全部巻き上げて作品の中に閉じ込めてしまい、泣く泣くすべて破棄する羽目になりました。

そうならないために、手のひらをいっぱいに広げたくらいの距離(15センチ〜20センチ)を保ち、遠くから優しく、温かい空気をふんわりと届けるようなイメージで風を当てていきます。

2〜3分ほどじっくり温めていると、液体の動きが滑らかになり、底の方に沈んでいた気泡がゆっくりと上がってくるのが肉眼でもはっきりと見えるはずです。

表面まで上がってきた気泡は、そのまま弾けて消えるか、次にご紹介する爪楊枝などを使って簡単に取り除くことができるようになります。

 

爪楊枝は「潰す」のではなく「すくい取る」

爪楊枝でつつくと液がまとわりついて逆効果になりがちです。

表面にポツンと浮かんだ大きな気泡を見つけると、つい条件反射で爪楊枝の先端でツンツンと突いて潰したくなりますよね。風船を針で割るような感覚です。

しかし、レジン液はとても粘り気があり、表面張力も強いため、気泡を突いた瞬間に爪楊枝の先端に液がねっとりと絡みつきます。

そして、爪楊枝を引き抜くときに新たな空気を液の中に引きずり込んでしまい、1つの大きな気泡を潰したつもりが、無数の細かい気泡に分裂して増殖してしまうことがよくあります。

気泡を潰すのではなく、下からすくい上げてモールドの端に寄せて取り除く、上手なすくい方のコツを紹介します。

気泡を取り除く時は、「突いて壊す」のではなく、「優しく外へ運び出す」という意識を持つことが何よりも重要です。

 

まず、気泡の斜め下あたりに爪楊枝の先端をそっと滑り込ませます。そして、金魚すくいのポイを使うような、あるいはお玉でスープの浮き身をすくうような感覚で、気泡を下からそっと持ち上げます。

そのままモールドの縁(壁面)までゆっくりと移動させ、モールドの外側に気泡を逃がすか、あらかじめ手元に用意しておいたキッチンペーパーやティッシュに、爪楊枝の先を擦り付けて液ごと拭き取ってしまいます。

この動作をするときは、手元がブレないように両脇をしっかりと締め、息を止めるくらいの慎重さで行うと上手くいきます。

私自身、最初の頃は気泡を親の仇のように何度も力任せに突っついては、余計に泡だらけにして泣きそうになった経験があります。「気泡はお姫様をエスコートするように優しく扱う」と心に決めてからは、劇的に失敗が減りました。

 

ライター・チャッカマンで表面をサッと炙る

表面に浮いた気泡を一瞬で消す強力な方法です。

ドライヤーで温めたり、放置したりして表面に浮き上がってきたものの、レジンの膜が頑丈でなかなか弾けずに表面にとどまっている気泡に対しては、火の熱を利用するのが非常に効果的です。

ライターやチャッカマンの炎を近づけると、炎の強烈な熱によって気泡の中の空気が急激に膨張し、同時に表面の薄いレジンの膜が熱で緩むため、瞬時にパリン!と気泡が消滅します。

これは本当に一瞬で魔法のように気泡が消え去るので、見ていてとても気持ちの良い作業でもあります。

ただし、モールドが溶けたりレジンが焦げたりする危険があるため、火を近づけすぎず1〜2秒でサッと炙る安全な手順を解説します。

炎の先端というものは、私たちが想像している以上に非常に高温になります。直接レジン液やシリコンモールドに炎が触れてしまうと、透明だったレジンが黄色く変色(黄変)したり、お気に入りのモールドがドロドロに溶けて二度と使い物にならなくなってしまいます。

 

私も過去に、しぶとい気泡を消そうとムキになってライターで炙りすぎ、モールドの角を焦がしてしまい、レジンから化学薬品の焦げたような異臭が漂ってきて大パニックになった苦い経験があります。

正しいやり方は、炎の先から3〜5センチ上の「熱気だけ」をレジン表面に当てるようなイメージで、サッと横にスライドさせるように動かすことです。

一箇所に留まる時間は、ほんの1秒から長くても2秒程度にとどめてください。

普通のライターよりも、先が長くなっている「チャッカマン(点火棒)」を使うことを強くおすすめします。手元から離れた位置で火をつけられるので火傷のリスクが低く、狙った場所に熱を送りやすいからです。

もちろん、火を扱う際は、作業机の周囲にティッシュやレジン液のボトルなど燃えやすいものがないか十分に確認し、安全第一で作業を行ってください。

 

放置して自然に抜く(確実なホコリ対策)

レジン液の性質を利用し、時間を置いて気泡が浮いてくるのを待つ方法です。

物理的な道具を一切使わずに気泡をなくす、ある意味で究極のオーガニックな方法が、「ただひたすら待つこと」です。

レジン液の中の空気は、液そのものよりも軽いため、浮力によって必ず上へと浮き上がってこようとします。

作業を急いでいない場合や、厚みのある大きな作品を作っていて細かい気泡が層のようになっている場合は、ドライヤーや火を使うよりも、この「放置する方法」が一番確実で、最終的に最も綺麗に仕上がることが多いです。

放置する時間の目安と、その間にホコリが入らないようタッパーや紙コップを被せる工夫をお伝えします。

放置時間は、使っているレジン液の粘度(ドロドロ具合)や室温によって大きく異なりますが、短い場合で30分から1時間、ドロドロの液や冬場の場合は数時間から、場合によっては一晩(半日)ほど置いておくこともあります。

 

ここで絶対に忘れてはいけないのが、完璧なホコリ対策です。

私たちの生活空間の空気中には、目に見えない微細なホコリや繊維がたくさん舞っています。レジン液をそのまま机の上に放置すると、数時間後には表面にホコリがびっしりと降り積もってしまい、気泡は抜けたけれどホコリだらけ、という本末転倒な結果になってしまいます。

これを防ぐために、作品を覆うためのカバーを必ず用意します。

小さなアクセサリー程度の作品なら、紙コップを逆さまにして被せるだけでも十分な防空壕になります。

少し大きな作品や、複数同時に作っている場合は、深さのある食品用のプラスチックタッパーをひっくり返して被せたり、100均で売っているケーキ用の透明ドームを被せると非常に便利です。

密閉容器の中に入れておくことで、ホコリの侵入を完全にシャットアウトしながら、気泡が抜けるのをのんびりと待つことができます。

放置している間、気泡が抜けたかどうか気になって何度もカバーを開けて覗き込みたくなる気持ちはとてもよく分かります。

しかし、開け閉めするたびにホコリが入るリスクが高まるので、ここはグッと我慢して、レジン液自身の力を信じて待つ忍耐力も、美しい作品作りには欠かせない要素です。

 

2. ヒーター不要!そもそも気泡を作らない事前準備と混ぜ方のコツ

気泡を抜く道具がない、あるいは代用品での作業に少し疲れを感じているのなら、「最初から気泡を入れない」のが一番の根本的な対策です。

できてしまった大量の気泡と格闘するのは、時間もかかりますし、何より精神的にとても消耗します。気泡が発生する原因をあらかじめ断ち切る方が、ずっと楽で楽しいレジンライフを送ることができます。

レジン作りにおける気泡の多くは、実は作業の初期段階、つまり準備や着色剤を混ぜる工程で私たち自身が生み出してしまっているのです。

ここでは、作業前のちょっとした工夫や、プロも実践している気泡を作らないテクニックを詳しく解説します。

 

【冬場対策】湯煎でドロドロのレジン液をサラサラにする

冬は液が硬くなり気泡が抜けにくくなります。

寒い季節になると、レジン液は気温の影響をもろに受けます。夏場は水のようにサラサラだった液が、冬になるとまるで冷蔵庫で冷やした水飴のように、ガチガチ・ドロドロに硬くなってしまうのです。

このドロドロの状態のまま、ボトルを力一杯握ってモールドに絞り出そうとすると、「ブチュッ」という音とともに空気を大量に巻き込んでしまいます。

さらに液が硬いため空気の抜け道がなく、気泡が液の奥深くにガッチリと閉じ込められてしまい、後からドライヤーを当てたくらいではビクともしなくなってしまいます。

エンボスヒーターを使わずに、50度から60度くらいのお湯でレジン液のボトルごと湯煎し、サラサラにして気泡を抜けやすくする正しい手順を紹介します。

作業を始める前の一手間として、マグカップや小さなボウルに、お風呂のお湯より少し熱いくらい(指を入れると熱いけれど、火傷はしない程度)の温度のお湯を用意します。

そこに、蓋をしっかりとキツく閉めたレジン液のボトルを、そのままポチャリと浸けます。

ボトルの半分から3分の2くらいがお湯に浸かるようにして、そのまま5分から10分ほど温めてください。

このとき、早く温めたいからといって、絶対に沸騰した熱湯を使わないことが重要です。

温度が高すぎるとボトルのプラスチックが変形してしまったり、レジン液の成分が熱で劣化して黄色く変色してしまう可能性があります。また、電子レンジでボトルごと温めるのも、破裂の危険があるため絶対にやってはいけません。

 

さらに、ボトルのキャップ部分がお湯に完全に浸かってしまうと、わずかな隙間から水分がボトルの中に入り込み、レジン液が硬化不良を起こす原因になります。

私自身、たっぷりのお湯を用意しすぎてボトルがプカプカと転倒し、中に水が入ってしまって、いざ硬化させようとしたら表面がいつまでもベタベタのまま固まらず、ボトル1本丸ごと無駄にした泣きたい経験があります。

お湯の量は、ボトルがしっかり自立する程度に留めてください。

湯煎が終わってボトルをお湯から取り出し、タオルで水気を拭き取って少し振ってみると、さっきまでの硬さが嘘のようにチャプチャプと水のようになっているのがわかるはずです。

この状態になれば、流し込む際にも気泡が入りにくく、万が一入ってしまった気泡も、驚くほどスッと抜けやすくなります。

 

絶対に気泡が入らないレジン液の混ぜ方・流し込み方

着色剤を混ぜる段階で気泡を作らないよう、調色スティックを使って一方向にゆっくり混ぜるコツや、モールドへ流し込む際に気泡を巻き込まない角度を解説します。

レジン液に好きな色の着色剤を入れて混ぜ合わせる瞬間は、「どんな色になるかな!」とワクワクして、一番楽しい工程ですよね。

 

しかし、早く色を見たいがために、カップの中で勢いよくシャカシャカ、グルグルと手早く混ぜてしまっていませんか。

実はこの「料理で卵を溶くような勢いのある混ぜ方」が、気泡を大量生産する一番の元凶なのです。

勢いよく混ぜれば混ぜるほど、空気をどんどん巻き込んでしまい、完成する頃には気泡だらけで白く濁ったスライムのような液が出来上がってしまいます。

着色剤とレジン液を混ぜ合わせる時は、シリコンの調色パレットと専用の調色スティック(なければ爪楊枝でも可)を用意し、「優しく、静かに、ひたすら一方向へ」動かすのが鉄則です。

パレットの底からスティックの先端を絶対に離さずに、底をこするようにしながら、「の」の字を描くようにゆっくりと混ぜていきます。

急いで混ぜたい気持ち、早く次の工程に進みたい気持ちをグッとこらえて、茶道でお茶を点てるような、あるいは瞑想をしているような静かな心境で、丁寧に色を馴染ませていきます。

この混ぜ方を守るだけで、驚くほど気泡の少ない、ガラスのように透き通った綺麗なカラーレジンが出来上がります。

 

さらに、完成した液をモールドへ流し込む際にも、細心の注意が必要です。

高い位置からポタポタと滝のように落とし込むと、液が着水するたびに衝撃で空気を抱え込んでしまいます。

モールドの端や壁面にスティックを沿わせるようにして、少しずつ、細い糸を引くように静かに流し入れていくのが正解です。

滝ではなく、岩肌を伝い落ちる静かな湧き水のようなイメージで流し込むことで、空気の巻き込みを最小限に抑えることができます。

 

封入パーツ(ドライフラワー等)周りの気泡を防ぐテクニック

かすみ草などの複雑な形のパーツは隙間に気泡を抱え込みやすいです。

透明なレジンの中に、色鮮やかな可愛いドライフラワーを封入するのは、レジンハンドメイドの最大の醍醐味の一つですよね。

しかし、花びらの幾重にもなる重なりや、細かい茎の隙間には、私たちの目には見えない空気がたっぷりと潜んでいます。

この空気をまとった状態のまま、いきなりモールドのレジン液の中にパーツを沈めるとどうなるか。

最初は綺麗に見えても、液が染み込むにつれて、後になってからその隠れていた空気がプクプクと湧き出してきて、気がつけばお花の周りが真珠のような気泡だらけになってしまうことが多々あります。

モールドに入れる前に、あらかじめパーツにレジン液を塗ってコーティングしておく(馴染ませておく)プロの小技を紹介します。

 

この悲劇を防ぐためには、事前のコーティング作業が不可欠です。

メインのモールドとは別に、調色パレットやいらないクリアファイルの上に、少量の透明なレジン液を出しておきます。

そこに、封入したいドライフラワーなどのパーツをピンセットで優しく置き、もう片方の手に持った筆や爪楊枝を使って、パーツ全体にしっかりとレジン液を絡ませていきます。

特にかすみ草やスターフラワーのような、細かい花びらが多く気泡を抱え込みやすい花材は、繊維の奥の奥、隙間の隅々まで液を浸透させるように、丁寧に馴染ませてください。

この作業をすることで、パーツが抱え込んでいた空気をあらかじめ外に追い出し、代わりにレジン液を染み込ませておくことができます。

この下準備をしっかりと行ったパーツをモールドに配置すれば、後から予期せぬ気泡が湧き出してくるのを完全に防ぐことができます。

また、お花全体がレジン液に馴染むことで、ドライフラワー特有のくすみが消え、より美しく鮮やかに発色するという嬉しい相乗効果もあります。

ほんの少し手間と時間はかかりますが、仕上がりの透明度とクオリティに雲泥の差が出るので、ぜひこのプロの技をあなたの作業工程に取り入れてみてください。

 

3. エンボスヒーターなし派のレジン液選び

道具に頼らないからこそ、レジン液自体の「気泡の抜けやすさ」が成功を左右します。

エンボスヒーターという、気泡を物理的にねじ伏せる強力な武器を持たない私たちは、力技ではなく、素材選びの段階から賢く戦略を練る必要があります。

世の中の手芸店やネットショップには、星の数ほどのレジン液が販売されていますが、どれも中身が同じ性質というわけではありません。

粘度の高さ(ドロドロかサラサラか)、硬化速度、透明度の持続性など、それぞれの液には開発メーカーの意図に応じた明確な個性があります。

自分の作業環境に合った液を選ぶことが、気泡ゼロへの最短ルートとなります。

 

100均のレジン液は気泡だらけになるって本当?

100均のレジン液は粘度が高め(ドロドロ)のものが多く、ヒーターなしだと気泡が抜けにくい原因になりがちです。

近所の100円ショップで手軽に買えて、カラーバリエーションも豊富な100均のレジン液は、これからレジンを始める初心者にとって最強の味方です。

しかし、SNSやブログのレビューなどで「100均のレジンは気泡だらけになるから使えない」「安かろう悪かろうだ」という少し厳しい声を見かけたことはないでしょうか。

 

これは、100均のレジン液の品質そのものが悪いというよりも、100均で販売されているレジン液に「高粘度(ドロドロ)」タイプが多いことが大きく関係しています。

粘度が高い液は、ヘアゴムの飾りのように表面をぷっくりとしたドーム型に高く盛り上げたい時や、配置したパーツが液の中で動かないようにしっかりと固定したい時には、流れ落ちにくいため非常に便利で優秀です。

その反面、液がドロドロしているため、一度空気を巻き込んでしまうと、空気の粒が液の重さに逆らえず、自力で水面まで浮き上がってくることができません。

結果として、気泡が液の中に留まりやすいという決定的な弱点を持っています。

 

液の性質による違いを解説します。

専用のエンボスヒーターを持っていれば、熱の力で強引に粘度を下げて気泡を抜くことができますが、ヒーターなしで高粘度の液を扱うのは、熟練の作家でもかなり難易度が高い作業になります。

もし今、あなたが100均のレジン液を使っていて、どんなに気をつけても気泡だらけになると悩まされているなら、それは決してあなたの技術が未熟なせいではありません。

使っている液の「粘度が高い」という性質が、エンボスヒーターを持たないあなたの環境に合っていないだけなのです。

「100均だからダメ」なのではなく、ぷっくりさせたい時は100均の高粘度、モールドに流し込む時は別の低粘度、というように「適材適所」で使い分ける知識を持つことが大切です。

 

気泡抜け抜群!おすすめの低粘度(サラサラ)レジン液

エンボスヒーターを持っていなくても、自然に気泡が抜けていく「低粘度(サラサラ)」タイプのレジン液を使用するメリットと、おすすめの商品を紹介します。

気泡抜けの良さを何よりも最優先するなら、水のようにサラサラとした「低粘度」タイプのレジン液を選ぶのが大正解です。

低粘度レジン液の最大のメリットは、私たちが必死に爪楊枝ですくい取ったり、火で炙ったりしなくても、液自身の力で気泡が勝手に浮き上がってきて、表面で次々と弾けて消えてくれることです。

モールドに流し込んだ後、ホコリよけのカバーをして数分間放置しておくだけで、奥底に潜んでいた細かな気泡まで綺麗さっぱり消えていく様子は、見ていて感動すら覚えます。

また、液がサラサラしているため、複雑な形をしたシリコンモールドの細い溝や尖った角の隅々まで液がスムーズに行き渡りやすく、「固めたら角が欠けていた」というありがちな失敗も防ぐことができます。

 

私自身、初めて低粘度のレジン液を使った時、あまりの気泡抜けの良さに「今までのあの苦労とストレスは一体何だったのか!」と衝撃を受けました。

手芸店やインターネット通販では、各メーカーから様々な低粘度レジン液が販売されています。

ネットで探す際は、商品説明の欄に「サラサラ」「低粘度」「気泡抜けが良い」「ウォーターライク」といったキーワードが書かれているものを探してみてください。

また、購入者のレビューで「本当に水みたいでシャバシャバです」と書かれているものは、間違いなく低粘度なので狙い目です。

100均の液に比べると、ボトル1本あたりの値段は少し張るように感じるかもしれません。

しかし、大容量のものを購入すればグラムあたりのコストパフォーマンスは決して悪くありません。

何より、気泡と格闘する無駄な時間と、失敗して作品を捨てる時の精神的ストレスから解放されることを考えれば、十分に投資する価値があります。

道具にお金をかけない代わりに、素材であるレジン液に少しだけこだわってみるのも、美しい作品をストレスなく作るための一つの賢い選択です。

 

4. 硬化後に失敗!表面にできた気泡の穴(凹み)を綺麗に直す方法

ヒーターなしで頑張ったのに、固めた後に気泡の穴を発見してしまった場合のリカバリー方法です。

どんなに気をつけて作業をして、事前準備を完璧にし、低粘度のレジン液を使ったとしても、ハンドメイドに「絶対」はありません。

UVライトのタイマーが鳴り、ワクワクしながらモールドから取り出した瞬間に、「あ!こんな目立つところに気泡があった!」と見つけてしまうことは、どれだけ経験を積んでも起こり得ることです。

特に、表面の気泡が弾けた後にできた小さな穴や、クレーターのような凹みは、指で触った時の手触りも悪く、光の反射で見た目も目立ってしまいます。

 

「せっかくここまで綺麗にできたのに、これで台無しだ…」と落ち込んでしまう気持ちは痛いほど分かります。

しかし、ここで諦めて作品をゴミ箱に捨ててしまう必要は全くありません。

レジンは、硬化後であっても、正しい知識と簡単な手直しで見事に復活させることができる素晴らしい素材なのです。

 

少量のレジン液を足して穴を埋める手順

プツッとした小さな凹みなら、爪楊枝の先に少量のレジン液を取り、穴を埋めるようにピンポイントで乗せて再硬化させることで綺麗に直せます。

表面に1つか2つの小さな気泡の跡がある場合は、このピンポイントの部分補修が一番手軽で確実です。

 

まず、調色パレットやクリアファイルの上に、ほんの少しだけ透明なレジン液を出します。

爪楊枝の先端に液をちょんっとつけ、気泡の凹み部分にだけ、優しく液を落とし込みます。

このとき、凹みからはみ出さないように、ギリギリの量を乗せるのが綺麗に仕上げる最大のコツです。液が多すぎると、今度はその部分だけポッコリと出っ張ってしまい、余計に不自然になってしまいます。

本当に「針の先に一滴だけ乗せる」くらいの繊細な感覚で、まるで大工さんが壁の穴をパテで埋めていくように、表面が元の高さと平らになるように微調整します。

穴が綺麗に埋まったら、液が流れないように水平を保ったまま、すぐにUV/LEDライトに入れてしっかりと硬化させます。

硬化が終わったら、光にかざして段差がないか確認します。

もし、まだ少し段差や境目が気になるようであれば、さらに上から薄くレジン液をコーティングして全体を整えれば、どこに気泡の穴があったのか自分でも全くわからないほど、ツルツルの美しい表面に戻すことができます。

 

やすりで削って全体を再コーティングする方法

表面全体に細かい気泡の跡ができてしまった場合、一度やすりで表面を平らに削り、その上から再度レジン液を薄く塗ってツヤを出す復活手順を解説します。

ピンポイントの補修では到底追いつかないほど、表面全体がブツブツと月面のように荒れてしまっている場合は、少し荒療治が必要になります。

紙やすりや、ネイルケア用のスポンジファイルなどを使って、気泡の凹みが完全になくなるまで、表面全体を思い切って削り落とします。

ホームセンターや100均で買える耐水ペーパーを使うのがおすすめです。

最初は400番くらいの粗めのやすりでガリガリと段差を削り、次に600番から800番くらいの細かいやすりで表面を滑らかに整えていきます。

削っている最中は、レジンの表面が白く粉を吹いて曇りガラスのようになり、せっかくの透明感が失われていくのを見て、「取り返しのつかないことをしてしまったのでは…」と強い恐怖心と不安に襲われるかもしれません。

私も初めてこのリカバリー方法を試した時は、せっかく作った作品が真っ白な傷だらけになってしまい、心臓がバクバクして泣きそうになりました。

 

しかし、どうかここで手を止めないでください。心配はいりません。

表面がなだらかになったら、削りカスを水洗いで綺麗に洗い流し、完全に乾かすか、無水エタノールを含ませたティッシュで念入りに拭き取ります。削りカスが残っていると、次の工程でそれが閉じ込められてしまうので注意してください。

綺麗になったら、その上から新しい透明なレジン液を、ハケや筆を使って薄く均一に塗り広げます。

これをライトで硬化させると、先ほどまで削って真っ白になっていた表面が、嘘のように一瞬で透明感を取り戻し、まるで新品のガラスのような美しい輝きを放つようになります。

 

初めてこの「すりガラスが透明に変わる魔法のような瞬間」を見た時は、きっと感動で声が出るはずです。

この削って再コーティングするという最強のリカバリー技を覚えておけば、少々の気泡や表面の乱れは全く怖くなくなります。失敗を恐れず、どんどん新しい作品作りにチャレンジしてくださいね。

 

レジン気泡の抜き方エンボスヒーターなしまとめ

 

まとめ

  • エンボスヒーターはドライヤーの温風やライターの火で十分に代用できる
  • ドライヤーは弱風で距離を保ちライターは短時間でサッと炙るのがコツ
  • 爪楊枝は気泡を潰さずに優しくすくい取る動きを意識する
  • 作業前にレジン液を湯煎して温めると気泡の抜けが劇的に良くなる
  • 混ぜる時は空気を入れないように一方向へゆっくりとスティックを動かす
  • パーツはあらかじめレジン液を塗って隙間の空気を追い出しておく
  • 時間をかけて放置する場合は必ずタッパーなどでホコリよけのカバーをする
  • ヒーターを持たない場合はサラサラとした低粘度タイプのレジン液を選ぶ
  • 硬化後に残った気泡の穴は少量の液を足して埋めるか削って再コーティングする

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