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MOS勉強法「覚えられない」を解決!丸暗記不要の記憶術

こんにちは!

このブログにたどり着いてくださり、本当にありがとうございます。

MOSの資格を取ろうと一念発起し、テキストを開いてみたものの…

「Excelの関数、カタカナとアルファベットばっかりで意味が分からない…」

「VLOOKUP? COUNTIF? 呪文にしか見えない…」

「さっき覚えたはずのWordの操作、どのタブにあったかもう忘れた…」

テキストを読んでいる直後は「うん、なんとなく分かった」と思うのに、いざ問題を解こうとすると、マウスを持つ手がピタリと止まってしまう。

模擬試験を解いてみても、操作手順をいちいち「えーっと…」と思い出すのに時間がかかって、気づけばタイムアップ。間違えた箇所は、何度復習してもまた同じミスを繰り返してしまう。

「もしかして、自分はすごく記憶力が悪いんじゃないか…」

そんな風に自信を失いかけていませんか?

大丈夫です。痛いほど、その気持ち、わかります。

何を隠そう、私自身がそうでした。

MOSの勉強を始めた頃、Excelの関数一覧表を壁に貼って、まるで英単語のように丸暗記しようと試みました。でも、覚えては忘れ、覚えては忘れ…。特に引数(カッコの中の順番)がごちゃ混ぜになり、「もう無理かも」とテキストを閉じかけた日が何度もあります。

でも、ある時気づいたんです。

私がMOSの操作を「覚えられない」のは、記憶力が悪いからではなく、ただMOS試験の特性に合った「覚え方」を知らなかっただけなのだと。

この記事は、過去の私と同じように「MOS 勉強法 覚えられない」という切実な悩みを抱えるあなたのために書きました。

この記事では、「気合と根性で丸暗記する」という苦行のような勉強法とは対極にある、「なるほど!と理屈で納得して、忘れたくても忘れられなくなる」効率的な学習法を、私の失敗談も交えながら徹底的に解説します。

もう「覚えられない自分」に落ち込むのは終わりにしましょう。

この記事を読み終える頃には、「なんだ、そう覚えればよかったのか!」と視界がパーッと開け、MOSの勉強がちょっと楽しくなっているはずですよ。

 

この記事のポイント

  • MOSの学習は「丸暗記」ではなく「理屈の理解」が鍵
  • 関数は「引数の意味」と「セット(類似関数)」で覚える
  • 操作手順は「機能の目的」からリボンの場所を推測する
  • 勉強法は「テキストを読む」より「問題を解く」ことを中心にする
  • 模擬試験の反復練習が記憶の定着とスピードアップに最も効果的

 

 

なぜMOSの学習内容は「覚えられない」のか?3つの原因

まず、一番大切なことをもう一度お伝えしますね。

MOSの勉強で「覚えられない…」と悩むのは、決してあなただけではありません。多くの、本当に多くの学習者が、まったく同じ壁にぶつかっています。

その根本的な原因は、あなたの能力不足では断じてありません。

あなたの「真面目さ」が、MOSの勉強法と少しだけズレてしまっている可能性が高いのです。

まずは、その「ズレ」の正体を一緒に見つめていきましょう。

 

原因1:すべてを「丸暗記」しようとしている

 

学生時代のテスト勉強、特に歴史の年号や英単語の勉強は、「丸暗記」が中心だったかもしれません。

私たちは「勉強=暗記」というスタイルに慣れ親しんでいます。だから、MOSの勉強を始めるときも、無意識にテキストの関数や操作手順を「そのまま覚え込もう」としてしまうのです。

ですが、ここで大きな認識のズレが生じています。

MOS試験は、「知識を問う筆記試験」ではなく、「操作スキルを問う実技試験」です。

これは、料理に例えると非常に分かりやすいです。

料理本(=テキスト)に書かれたレシピ、「タマネギ 1個、ニンジン 1/2本、塩 小さじ1…」という情報(知識)を完璧に丸暗記したとします。

でも、いざキッチンに立って、「タマネギのみじん切り」ができなければ?

「強火で炒める」の火加減が分からなければ?

レシピを暗記していても、美味しいカレーは作れませんよね。

MOSもまったく同じです。

=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 型) という構文を呪文のように暗記しても、

いざ試験で「この表から、○○さんの売上だけを抜き出してください」という問題が出たときに、

「『検索値』にはどのセルを入れればいいの?」

「『範囲』って、見出しも含めるんだっけ?」

と手が止まってしまっては、1点にもなりません。

私自身、この「呪文丸暗記」で大失敗しました。引数の順番を必死に覚えたのに、いざ問題を前にすると「あれ、『範囲』ってどこからどこまでだっけ?」と固まり、パニックになって時間を失った苦い経験があります。

丸暗記は、膨大な労力がかかる割に、「なぜそうするのか」という理屈(=料理でいう「なぜ強火で炒めるのか」という理由)が抜け落ちているため、応用が利かず、非常にもろく、忘れやすいのです。

 

原因2:「なぜその操作が必要か」を理解していない

テキストの指示通りに、ただ手を動かすだけの学習になっていませんか?

「1. 『ページレイアウト』タブをクリックし」

「2. 『文字列の折り返し』をクリックし」

「3. 『四角』を選択します」

テキストに書かれたこの手順を、まるでロボットのように忠実になぞる。

確かに、操作した直後は「できた!」という達成感があります。しかし、それは「作業」であって「学習」になっていない危険性があります。

これは、カーナビの音声案内に従って運転していると、いつまでたっても道を覚えられないのと同じ現象です。

「次の角を右です」と言われて右に曲がるだけで、「なぜ今曲がるのか?(=この先が一方通行だからだ)」「この道はどこにつながっているのか?」をまったく意識していないからです。

MOSの勉強も同じです。

「なぜ今、『文字列の折り返し』が必要だったのか?」

(→それは、写真(オブジェクト)を文章中に自由に配置したい、という目的があったからだ)

「なぜ『ページレイアウト』タブにあったのか?」

(→それは、文章と図の関係、つまりレイアウトを変更する操作だからだ)

この「なぜ」という目的意識が抜け落ちていると、脳はそれを「意味のない作業」として処理してしまい、記憶に定着させてくれません。

これが、「テキストでは理解したつもりでも、いざ問題が解けない」「前にやったはずなのに、思い出せない」という状態の正体です。

 

原因3:インプット(読む)ばかりでアウトプット(解く)が足りない

 

あなたは今、勉強時間のうち、どれくらいの割合を「テキストや解説動画を見る時間(=インプット)」に使っていますか?

もしその割合が半分以上を占めているなら、それが「覚えられない」最大の原因かもしれません。

真面目な人ほど、テキストを隅から隅まで読み込み、「完璧に理解してから」問題に進もうとします。でも、それが落とし穴なのです。

人間の脳は、情報を「入れた」時よりも、「思い出した(引き出した)」時に記憶が強固に定着するように設計されています。

スポーツに例えてみましょう。

一流選手のフォームの解説動画を100時間見る(インプット)よりも、実際に自分でバットを持って10回素振りをする(アウトプット)方が、バットの振り方は早く身につきますよね。

単語帳を赤シートで隠さずに、ただ眺めているだけでは、永遠に覚えられないのと同じです。

テキストを読んだり、動画を見たりするインプット中心の勉強は、「わかったつもり(=知識の幻想)」になりやすいのが、一番怖いところです。それはあくまで「知った」だけで、あなたが「できる」ようになったわけではありません。

実際に問題を解き、頭を必死にひねって「うーん、あの機能はどこだっけ…?」と苦しみながら思い出す作業(=アウトプット)こそが、脳の神経回路に「これは重要だ!」と焼き付ける、最強の記憶トレーニングになるのです。


 

丸暗記から脱却!MOS試験で「覚えられる」勉強法 3つの鉄則

では、どうすれば「覚えられない」という絶望的なループから抜け出せるのでしょうか?

ご安心ください。ここからは、苦しい丸暗記に頼らない、MOS試験に最適化された「理屈で覚える」勉強法の「3つの鉄則」をご紹介します。

この鉄則を意識するだけで、あなたの学習効率は今日から劇的に変わりますよ。

 

鉄則1:「機能の目的」を常に意識する

 

一つ目の、そして最も重要な鉄則がこれです。

これから覚えるすべての関数や操作について、「この機能は、一体、何のためにあるのか?」と、常に「目的」を自問自答するクセをつけてください。

例えば、Wordの「インデント」機能。

これを「文字の開始位置を左にズラす機能」とだけ操作で覚えていると、スペースキーで「ガガガッ」とズラすのと何が違うのか、いつ使うべきか分かりませんよね。

でも、これを「文章の『構造』を整え、読みやすくするための機能」と目的で理解するとどうでしょう?

「ああ、スペースキーで見た目だけ整えるのとは違うんだな。これは文書全体の『体裁(レイアウト)』に関わる重要な機能なんだ」と、理屈でつながってきます。

この「目的意識」を持つことは、スマートフォンの操作を覚える感覚に似ています。

皆さんは、LINEの「送信」ボタンが画面の右下にあることを、「右下にある」と場所で暗記しましたか?

違いますよね。「メッセージを送りたい(目的)」から、無意識に「送信」や「紙飛行機のマーク」を探し、そこをクリックしているはずです。

MOSもこれと同じです。

「この文章を2段組にしたい」という目的を持てば、「これは文書の構造(レイアウト)を変えることだから、『レイアウト』タブにあるはずだ」と、推測できるようになります。

「丸暗記」は、答え(場所)を知っていること。「理屈の理解」は、答え(場所)を自分で導き出せることです。MOS試験で本当に必要なのは、後者の力です。

 

鉄則2:「テキスト1周」より「問題集・模擬試験5周」

二つ目の鉄則は、学習の「主役」を勇気を持って交代させることです。

真面目な人ほど、「まずはテキストを完璧に理解してから、問題集に進まないといけない」と考えがちです。まるで、教科書を完璧にしないと、ドリルに進んではいけない気がしてしまいますよね。

ですが、MOS学習において、それは残念ながら遠回りになってしまいます。

思い切って、MOS学習の主役は「問題集」と「模擬試験」だと決めてしまいましょう。

テキストは、最初から最後まで熟読する「教科書」ではなく、困った時だけ引く「辞書」や「地図」のような脇役だと割り切ってください。

泳ぎ方を本(テキスト)で1ヶ月間じっくり学ぶより、まずは浅いプール(問題集)で実際に水に入り、手足をバタつかせてみる方が、泳ぎ方は早く習得できます。

テキストはざっと1周読んだら(あるいは、1章読んだら)、すぐにその章に対応する問題集を解き始めてください。

もちろん、最初はボロボロでも構いません。間違うことを恐れないでください。

問題集で間違うのは「失敗」ではなく、「自分の弱点を発見する」という「成功」です。

大切なのは、「間違えた箇所だけ、テキストに戻って『なぜ』を調べる」というサイクルです。

全範囲をもう一度読み返す必要はありません。あなたが「わかっていない」と判明した部分だけをピンポイントで補強していく。

これが、MOS学習における「最短距離」であり、記憶にも最も残りやすい学習法なのです。

 

鉄則3:「重要な範囲」から優先的に覚える

 

三つ目の鉄則は、あなたの「完璧主義」を少しだけ緩めることです。

肩の力を抜いてください。MOSは、満点を取る必要はありません。多くの科目で、1000点満点中700点程度が合格ラインとされています。

これは何を意味するか?

試験範囲のすべてを、100%完璧に覚える必要はない、ということです。

あなたが「覚えられない…」と悩んでいるその機能は、もしかしたら、試験でも滅多に出題されない、ものすごくマイナーな機能かもしれません。

ビジネスの世界でもよく言われる「80対20の法則(パレートの法則)」は、MOS試験にも当てはまります。

試験に出る「重要な20%の機能」が、合格点の「80%」を作っています。

では、どこが「重要な20%」なのでしょうか?

その答えは、すべて「模擬試験」が知っています。

模擬試験は、本番の試験に最も近い「完璧な宝の地図」です。

模擬試験で何度も何度も繰り返し問われる機能(VLOOKUP関数、ピボットテーブル、ヘッダー/フッター、段組み設定など)こそが、あなたが最優先で、100%覚えるべき「重要な範囲」です。

「全部覚えなきゃ」というプレッシャーは、学習効率を著しく低下させます。

まずは「模擬試験で合格点が取れるようになること」。そこを第一目標にして、学習に賢く優先順位をつけましょう。


 

【Excel編】もう迷わない!関数の効率的な覚え方

さて、ここからは具体的な攻略法です。

多くの学習者が「覚えられない」と嘆く最大の難関、Excelの関数。

でも大丈夫。ちょっとした「覚え方」のコツを知るだけで、あんなに憎らしかった関数が、頼もしい味方に見えてきますよ。

 

関数は「構文」ではなく「日本語(意味)」で覚える

 

関数を=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 型)のような「構文(記号の羅列)」で覚えようとすると、ほぼ100%挫折します。これは「プログラミング言語」を暗記するようなもので、非効率すぎます。

そうではなく、関数を「Excelと対話するための、日本語の命令文」に翻訳して覚えてみてください。

例えば、多くの人がつまずくVLOOKUPなら、こんな感じです。

Excelに、こう話しかけるイメージです。

=VLOOKUP

「ねえExcel、まず【何を探しますか?】(検索値)」,

(例:このセルに入力された「社員番号100番」の人を)

「OK。じゃあ【どこから探しますか?】(範囲)」,

(例:あっちのシートにある、A列からD列までの「社員名簿全体」から)

「了解。見つかったら、【その範囲の何番目の情報が欲しいですか?】(列番号)」,

(例:名簿の3番目に入力されてる「部署名」が欲しい)

「最後に【探し方はどうしますか?】(型)」

(例:「FALSE」で。ピッタリ同じ番号の人だけを探してね)

 

どうでしょうか?

単なる記号の羅列だったものが、Excelに対する「具体的なお願い(命令)」に見えてきませんか?

私自身、この「関数と会話する」という覚え方に切り替えてから、関数アレルギーがピタリと治りました。

「なぜ、この順番なのか」という引数の意味(理屈)がわかるので、丸暗記とは比べ物にならないほど忘れにくくなります。

SUMIF関数も同じです。

「=SUMIF(どの範囲をチェックする?, "何を探す?", どの範囲を合計する?)」

(例:=SUMIF(商品名リスト, "リンゴ", 売上リスト))

と日本語で覚えるだけで、もう引数の順番に迷うことはありません。

 

似ている関数は「違い」をセットで覚える

 

関数を一つひとつバラバラに、独立したものとして覚えようとすると、記憶が混線してしまいます。

脳は、関連性のないバラバラな情報を覚えるのが苦手です。

効率的なのは、「似ている関数は家族(グループ)としてセットで覚える」方法です。そして、その家族の「違い(個性)」だけを明確に意識します。

これは、記憶の「フック(とっかかり)」を作る作業です。

例えば、構成案にある2つのグループを見てみましょう。

(例)ROUNDファミリー(丸める一家)

  • ROUND(お父さん):四捨入(基準となる「5」で判断する、一家の基本)
  • ROUNDUP(お兄さん):切り上げ(名前の通り、UP=上げる。ポジティブ!)
  • ROUNDDOWN(弟):切り捨て(名前の通り、DOWN=下げる。ネガティブ!)

これなら、違いは一目瞭然ですね。「UPだから上げる」「DOWNだから下げる」と、名前と機能が直結しています。

(例)COUNTファミリー(数える一家)

  • COUNT数値が入っているセルだけを数える(計算=CalculateのC、と覚える)
  • COUNTA空白以外のセルをすべて数える(AはAll(すべて)のA、と覚える)
  • COUNTIF:条件(IF)に合うセルだけを数える(名前の通り、IF=もし~なら)

このように、名前の由来や役割の違いでグループ化してあげると、脳が「ああ、あの家族のことね」と整理しやすくなり、記憶に定着しやすくなります。

この考え方は、他の関数にも応用できます。

SUM(合計)、SUMIF(1個の条件で合計)、SUMIFS(複数の条件(IFs)で合計)

AVERAGE(平均)、AVERAGEIF(1個の条件で平均)、AVERAGEIFS(複数の条件(IFs)で平均)

どうですか? 「IF」が「S」になるだけで、複数条件に対応できるというOfficeソフト共通のルール(文法)が見えてきませんか?

こうなれば、もう丸暗記ではありません。「理解」です。


 

【Word/PowerPoint編】操作手順(リボンの場所)の記憶術

「あの機能、どのタブだっけ…?」

Excelが関数なら、WordやPowerPointはこの「リボンの迷子」問題ですよね。

これも、丸暗記ではなく「理屈(目的)」で一発解決できます。

 

リボンの「タブ」をグループ(目的)で捉える

 

あなたは、操作手順を「『ページレイアウト』タブの右から3番目の『段組み』」のように、場所(住所)で覚えようとしていませんか?

それは、東京の住所を「千代田区千代田1-1」と暗記するようなものです。

そうではなく、各タブを大きな「役割ごとの道具箱(お店)」として捉えてみてください。

あなたは「目的」に応じて、入る「お店」を選ぶだけです。

  • 「ホーム」タブ
    • 役割:一番よく使う「文房具屋さん」。
    • 中身:文字の装飾(太字、色)、コピペ、中央揃え、箇条書きなど。勉強机のペン立てに常に入っているような、使用頻度が圧倒的に高いものたちです。
  • 「挿入」タブ
    • 役割:文書に何かを「外から持ってくる」ための「おもちゃ箱」や「素材屋さん」。
    • 中身:図、表、グラフ、図形、ヘッダー/フッター、ページ番号、テキストボックスなど。まっさらな紙に「追加」するものは、全部ここです。
  • 「デザイン」タブ
    • 役割:文書「全体の雰囲気(見た目)」を一括で変える「ブティック(洋服屋さん)」。
    • 中身:テーマ、配色、フォントセット、透かしなど。文書全体のお色直しをするところです。
  • 「レイアウト」タブ
    • 役割「紙(土台)」そのものを設定する「設計事務所」
    • 中身:余白、印刷の向き(縦/横)、用紙サイズ、段組み、インデント、間隔など。文書の「骨格」や「構造」を決めるところです。

(※Officeのバージョンによって多少名称が異なりますが、役割はほぼ同じです)

この「役割(お店)」さえしっかり理解しておけば、例えば「表ツール」や「図ツール」といった、特定の操作中だけ現れる「コンテキストタブ」の存在も理解できます。

「表(という素材)を選んだから、表専用の道具箱(タブ)が出てきてくれたんだな」と、理屈で納得できるのです。

 

「何をしたいか」から場所を推測する練習

 

「道具箱(お店)の役割」を覚えたら、次は「推測する訓練」です。

これがMOS学習の醍醐味です。

問題を解くときに、「テキストの指示(答え)」をすぐに見るのをグッとこらえて、10秒だけ自分で考えてみましょう。

  • (問題)「ヘッダーを挿入したい」
    • →(自分の頭で考える)「ヘッダーは、文書の『外』から持ってくる『部品』パーツだ」
    • →「ということは、『素材屋さん』である【挿入】タブにあるはずだ!」
  • (問題)「ページの余白を変更したい」
    • →(自分の頭で考える)「余白は、文字じゃなくて『紙(土台)』の設定だな」
    • →「ということは、『設計事務所』である【レイアウト】タブにあるはずだ!」
  • (問題)「文書全体の色合いを統一したい」
    • →(自分の頭で考える)「『全体の雰囲気』を変えることだな」
    • →「ということは、『ブティック』である【デザイン】タブにあるはずだ!」
  • (問題)「誤字脱字をチェックしたい」
    • →(自分の頭で考える)「文書を『見直す・校閲する』ことだな」
    • →「ということは、【校閲】タブにあるはずだ!」

この「何をしたいか? → だから、この道具箱(タブ)だ」という思考の訓練を繰り返すこと。

これが、丸暗記を遥かにしのぐ、最強の「操作手順 記憶術」です。この訓練が、本番で未知の問題が出たときの「応用力」にも直結しますよ。


 

記憶を定着させ、スピードを上げる最強の学習サイクル

さて、これまでに「理屈で覚える」方法を解説してきました。あなたはもう、丸暗記の世界から一歩抜け出しています。

最後の章は、その「理屈で理解した」記憶を、「絶対に忘れない確実な記憶」に変え、さらに「試験時間内に解ききるスピード」を身につけるための、最強の学習サイクルをご紹介します。

 

なぜ同じミスを繰り返すのか?

 

模擬試験を解いた後、どのように復習していますか?

もし、「間違えた問題の答えを見て、赤ペンでテキストに印をつけて、おしまい」になっているとしたら、それは非常に危険なサインです。

私も昔、まさにその復習法で大失敗しました。

間違えた問題の答えをテキストで確認し、ノートに赤ペンで正解の操作手順を書き写す。なんだかすごく「勉強した気」になるんですよね。ノートが真っ赤になっていくのが、努力の証のように見えて。

でも、それは脳をほとんど使っていない、単なる「書き写し作業(写経)」です。

それは「勉強」ではなく、「勉強したつもり」になるための儀式に過ぎません。

だから、次に同じ問題を解いても「あ、これ前も間違えたやつだ。赤ペンで書いたな」と思い出すだけで、また同じミスを繰り返してしまうのです。

「復習したつもり」になっているだけで、脳は「なぜ間違えたのか」をまったく学んでいない状態なんですね。

 

間違えた問題は「正解へのプロセス」を言語化する

 

では、どうすれば記憶に定着する、本当の復習になるのでしょうか?

答えは、「なぜ、その答えになるのか」という正解へのプロセスを、自分の言葉で説明(言語化)してみることです。

これは、心理学で「フェインマン・テクニック」とも呼ばれる最強の学習法です。

間違えた問題は、答えを見るだけでなく、「隣にいる初心者の同僚に、どう教えるか」を想像してみてください。

例えば、関数を間違えたら、ただ答えを写すのではなく、

「(同僚に教える体で)いいですか、なぜここではCOUNTAじゃなくてCOUNTIFを使うかというとですね、『空白以外』を数えたいんじゃなくて、『"東京"という条件に合うものだけ』を数えたいからなんですよ。だからIF(もしも)が必要なんです」

と、声に出して(あるいはノートに「レクチャーメモ」として)説明してみてください。

人に教えるつもりで説明しようとすると、自分がどこを曖昧に理解していたのかが、嫌というほどハッキリと見えてきます。

この「言語化」のプロセスこそが、脳に「これは重要だ!」と深く刻み込む、最も効果的な復習方法です。

 

模擬試験で「時間内に解ける」トレーニングを積む

MOS試験は、「知っているか」だけでなく、「時間内に、正確にできるか」が問われる、シビアな「実技試験」です。

せっかく操作を覚えても、リボンの前で「えーっと…」と3秒迷っていたら、その積み重ねで確実に時間が足りなくなります。

ピアノの発表会に例えてみましょう。

家でゆっくり練習すれば完璧に弾ける曲(=覚えた知識)も、発表会(=本番)では、大勢の観客と制限時間というプレッシャーの中で、止まらずに、ミスなく弾ききらなければなりませんよね。

MOSもまったく同じです。本番と同じ環境(=模擬試験)での「通し練習」が不可欠です。

記憶が定着してきたら、最後は模擬試験です。

必ず、キッチンタイマーなどで本番と同じ制限時間を設けて解いてください。

そして、終わったら点数に一喜一憂するのではなく、間違えた箇所を「言語化」して完璧に復習する。

この「模擬試験(時間厳守)→ 徹底復習(言語化)」というサイクルを、テキストの模擬試験プログラムで何度も何度も繰り返してください。

最初は時間が足りなくても、反復するうちに、操作が「頭で考える」レベルから「手が勝手に動く」レベル(これを「自動化」といいます)に変わっていく瞬間が必ず来ます。

ピアノの鍵盤を見なくても指が動くように、VLOOKUPの引数を意識しなくても指が勝手に入力している。

このレベルに達すれば、もう合格はあなたの目の前ですよ。

 

MOS勉強法で覚えられないを克服するまとめ

MOSの勉強法で覚えられない」と悩むのは、あなたの記憶力が原因ではありません。苦しい「丸暗記」に頼った学習方法が、MOS試験の「実技試験」という特性と合っていなかっただけです。

大切なのは、丸暗記という苦行を今すぐ捨て、「なぜ?」という理屈で理解すること。

そして、テキストを眺める時間よりも「問題を解く(思い出す)時間」を圧倒的に増やすことです。

 

  • 関数は「呪文」ではなく「日本語(意味)」で覚える
  • 操作手順は「住所」ではなく「道具箱の役割(目的)」で覚える
  • インプット(読む)はほどほどに、アウトプット(解く・思い出す)を学習の中心に据える
  • 間違えた問題は「答えを写す」のではなく「プロセスを言語化」する
  • 最後は模擬試験の反復で「手が勝手に動く」レベルまで仕上げる

 

この記事でご紹介した「理屈で理解する」勉強法を実践すれば、あなたの知識は確実に定着し、学習は今よりずっと楽になるはずです。

理屈がわかると、MOSの勉強は「苦行」から「なるほど!」が連続する「知的なパズル」に変わります。

「覚えられない」と悩んでいた昨日までの自分にさよならを告げ、今日から「理屈でわかる」新しい一歩を踏み出してみませんか?

あなたの合格を、心から応援しています!

  • B!