3月、カレンダーをめくるとそこに書かれた「卒業式」の文字。
本来なら、春の訪れとともに子供の成長を祝う温かな一日…のはずですが、ここは北国・北海道です。
窓の外を見れば、除雪車が積み上げていった雪山がまだ高く残り、朝の気温はマイナス5度、なんてことも日常茶飯事ですよね。
日中はプラスの気温になったとしても、それがまた厄介です。
溶け出した雪が泥水となって道路を覆い、日陰に入ればそれがブラックアイスバーンとなって待ち構えています。
そんな過酷なフィールドで、「フォーマルな装い」を求められる卒業式。
これはもはや、一種の「ミッション」と言っても過言ではありません。
「パンプスで雪道を歩くなんて、チャレンジャーすぎる」
「でも、一生に一度の式典にゴツゴツしたブーツで出るのは失礼?」
「体育館の寒さに耐えられる自信がない…」
そんな悩みで頭がいっぱいになり、肝心の子供への手紙や準備がおろそかになってしまっては本末転倒です。
私自身、札幌で二人の子供を育て上げましたが、長男の小学校の卒業式の日、見栄を張って薄手のストッキングで挑み、式典の後半は寒さで歯がガチガチと鳴るのを必死に堪えていた…という苦い経験があります。
あんな思いは、皆さんにはしてほしくありません。
この記事では、本州向けのマナー本には決して載っていない、北海道のリアルな「卒業式の足元事情」と、寒さや恥をかかないための完全対策を、私の失敗談も交えながら徹底解説します。
読めばきっと、当日の不安が消え、心からの笑顔でお子様を送り出せるようになるはずです。
ポイント
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北海道では安全優先で道中のブーツ着用は常識
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式典中は「きれいめショートブーツ」なら許容範囲だが履き替えがベスト
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学校の下駄箱はブーツが入らないため「大きめの袋」持参が必須
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体育館は極寒なためストッキング風の裏起毛タイツがおすすめ
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黒タイツはデニール数に注意すればマナー違反にはならない
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スエードやムートンはカジュアルすぎるため避けるのが無難
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コートは「きれいめダウン」か「ウール」で、式典中は脱ぐのが基本
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玄関での履き替えをスマートに行うための事前準備がカギ
北海道の卒業式でブーツはマナー違反?基本とローカルルール
まず、一番の懸念点である「マナー」について、深く掘り下げていきましょう。
一般的なマナーブックを開けば、卒業式の母親の服装として「セミフォーマル(準礼装)」が推奨されています。
足元は「肌色のストッキング」に「黒やネイビーのパンプス(ヒール3〜5cm)」が鉄則と書かれていますよね。
しかし、この鉄則を北海道の3月にそのまま当てはめようとすると、大きな矛盾が生じます。
なぜなら、北海道の3月はまだ「冬」だからです。
本州のマナーとは違う「北海道の常識」
マナーの根底にあるのは「相手への敬意」と「その場に相応しい振る舞い」です。
では、北海道の卒業式という「場」において、最も優先されるべきは何でしょうか?
それは、見た目の美しさよりも、「安全性」と「健康」です。
想像してみてください。
ツルツルの路面を、ヒールの細いパンプスでペンギンのようにヨチヨチと歩く母親の姿を。
そして、校門の前で足を滑らせ、素敵なスーツを泥だらけにして転んでしまう姿を。
これは、マナー以前の問題として、非常に危険であり、周囲にも心配をかけてしまいます。
北海道においては、「道中のブーツ着用」は決してマナー違反ではありません。
むしろ、「TPO(Time, Place, Occasion)」を正しく理解している、賢い選択とされます。
「おしゃれよりも命が大事」。
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、これが雪国ママたちの共通認識であり、誰もが共有している暗黙のローカルルールなのです。
実際に、私が参列した卒業式でも、校門をくぐる保護者の8割以上はブーツを着用していました。
誰も足元を指差して「マナー違反だ」なんて言いません。
むしろ「今日は冷えるわね」「道、滑りそうだね」と、防寒対策の話題で盛り上がるくらいです。
ですから、「ブーツで行ったら非常識だと思われるかも」という不安は、今ここで捨ててしまってください。
「道中だけブーツ」で「玄関で履き替え」が正解
とはいえ、「式典の会場内でもスノーブーツでいいのか?」と聞かれれば、それはまた別の話です。
厳粛な式典の場で、登山靴のようなブーツや、カジュアルすぎるムートンブーツは、やはり少し浮いてしまいます。
そこで、北海道のママたちが長年実践してきた「最適解」があります。
それが、「道中は最強防寒ブーツ、玄関でフォーマル靴に履き替える」という二刀流スタイルです。
家から学校までは、滑り止めがしっかりついた、暖かさ重視のブーツで安全に移動します。
そして、学校の生徒玄関(保護者受付)に到着したら、持参した「室内用のきれいめな靴」や「フォーマルスリッパ」に履き替えるのです。
このスタイルの素晴らしい点は、3つのメリットを同時に得られることです。
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安全確保: 道中で転ぶリスクを最小限にできる。
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マナー遵守: 式典中はきちんとした正装でいられる。
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靴の保護: 大切なフォーマル靴を、雪や泥、融雪剤のダメージから守れる。
特に3つ目は重要です。
革のパンプスは水に弱く、融雪剤が混じった泥水がつくと、白いシミになって取れなくなることがあります。
大切な靴を守るためにも、外ではブーツ、中ではパンプス(またはスリッパ)という使い分けが、最も賢い方法なのです。
ブーツのまま式典に出席する場合のOK・NGライン
「荷物が増えるのは嫌だ」
「下の子を連れているから、玄関でモタモタ履き替える余裕がない」
「体育館が寒すぎて、パンプスやスリッパでは耐えられない」
様々な事情から、履き替えずに「ブーツのまま」式典に出席したいと考える方もいらっしゃるでしょう。
結論から言えば、条件さえ満たせば、ブーツでの参列も許容される傾向にあります。
ただし、そこには明確な「OKライン」と「NGライン」が存在します。
許容されるのは「きれいめショートブーツ」
もしブーツのまま式典に出席し、体育館のパイプ椅子に座るつもりなら、「きれいめショートブーツ」一択だと考えてください。
これは、パンプスの延長として履けるような、華奢でエレガントなデザインのものを指します。
具体的には、以下のような特徴を持つものです。
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素材: スムースレザー(表革)や、上品な質感の合皮。
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色: 黒がベスト。スーツの色に馴染み、悪目立ちしません。
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デザイン: 装飾が少なく、シンプルで細身のシルエット(ブーティなど)。
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丈: くるぶしが隠れる程度のショート丈。
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ヒール: 3cm〜5cm程度のヒールがあるもの(スタイルアップ効果もあり)。
パンツスーツであれば、裾からつま先とヒールが見えるだけなので、それがショートブーツであることに気づかない人も多いでしょう。
スカートの場合でも、黒っぽいタイツと合わせれば、足元が繋がって見え、違和感なくなじみます。
ポイントは「靴紐(レースアップ)がないもの」や「大きな金具がついていないもの」を選ぶこと。
また、サイドゴアブーツ(横にゴムが入っているもの)も、デザインによってはカジュアルに見えてしまうので、ゴム部分が目立たないものを選びましょう。
絶対NGなブーツの種類(ムートン・スノーブーツ)
一方で、いくら寒くても式典の場にはふさわしくない、避けるべきブーツもあります。
1. ムートンブーツ
数年前に大流行しましたが、これはあくまで「カジュアルウェア」です。
丸っこいシルエットとモコモコの素材感は、フォーマルスーツのシャープなラインとは相容れません。
「ちょっとそこまで」というラフな印象を与えてしまい、先生方や来賓の方々に対する礼儀を欠いていると見なされかねません。
2. ゴツめのスノーブーツ(アウトドアブランド系)
ソレルやコロンビアなどの本格的なスノーブーツは、北海道の冬には欠かせない相棒ですが、卒業式にはハイスペックすぎます。
ゴムのシェルで覆われた足元は、スーツ姿の中でそこだけ「雪かきスタイル」になってしまいます。
3. ロングブーツ
一見エレガントに見えますが、室内での式典においてはファッション性が強すぎます。
また、脱ぎ履きに時間がかかるため、もし急遽スリッパに履き替えることになった場合、玄関で渋滞を引き起こす原因にもなります。
「昔買ったいい革のロングブーツがあるから」と引っ張り出してくるのは避けましょう。
あくまで主役は子供たち。親は「黒子」に徹するという意味でも、足元で主張しすぎないことが大切です。
上履き(スリッパ)に履き替えるなら外履きは関係ない?
ここで一つ、北海道ならではの重要な事実に気づいた方もいるかもしれません。
「あれ? 北海道の学校って、基本的に上履き持参だよね?」と。
そうです。北海道の公立小中学校の多くは、保護者も上履き(スリッパ)を持参して履き替えるのが一般的です。
つまり、式典の最中(約1時間〜2時間)はずっとスリッパを履いているわけです。
多くの学校は「スリッパ持参」なので外履きは見えない
式典が行われる体育館や、最後のホームルームが行われる教室。
ここで履いているのは、あなたが家から持ってきたスリッパです。
外から履いてきたブーツは、下駄箱やビニール袋の中にしまわれています。
極端な話をすれば、家から学校までの間さえ誰にも見られなければ、長靴だろうが、派手なスノーブーツだろうが、関係ないということになります。
式典中のコーディネートという意味では、外履きは何の影響も及ぼさないのです。
この「盲点」に気づくと、気持ちが少し楽になりませんか?
「なんだ、式典中に足元を見られるわけじゃないんだ」と。
ですから、あまり神経質になりすぎず、道中は自分が一番歩きやすくて暖かい靴を選べば良いのです。
私の友人は、道中は完全防備の「ゴム長靴」で来て、玄関でサッと華麗にフォーマルスリッパに履き替えていました。
その姿を見て、「なんて合理的でかっこいいんだ」と思ったものです。
意外と見られている「記念撮影」と「見送り」のタイミング
ただし、完全に気を抜いてはいけない瞬間が二つあります。
それは「外での記念撮影」と「先生方の見送り(花道)」です。
式が終わった後、校門の前にある「第〇回 卒業証書授与式」という看板の前で、お子さんと写真を撮りますよね。
また、玄関の外で先生や生徒たちが列を作って見送りをする場合もあります。
このときは当然、外履きを履いています。
一生残る記念写真の足元が、泥だらけの長靴や、あまりにもヨレヨレのブーツでは、後で写真を見返したときに少し残念な気持ちになるかもしれません。
私が以前失敗したのは、黒いブーツに白っぽい融雪剤の跡がべったりとついていたことです。
肉眼では気づかなかったのですが、写真で見ると意外と目立っていました。
外履きは何でも良いとはいえ、前日には防水スプレーをかけ、泥汚れを落としておくなど、最低限のメンテナンスはしておきましょう。
もし長靴で行く場合は、写真撮影の時だけはお子さんの影に隠れるか、上半身だけのアップにするなどの工夫が必要かもしれませんね(笑)。
【重要】脱いだブーツをどうする?下駄箱に入らない問題
服や靴選びに夢中で、多くのママが見落としている「落とし穴」。
それが「脱いだブーツの行方」問題です。
ここを甘く見ていると、当日の玄関でパニックになります。
学校の下駄箱は「短靴サイズ」がほとんど
小学校や中学校の生徒用玄関にある下駄箱を思い出してください。
子供たちの運動靴や上靴が入る、あの小さなスペースです。
高さも奥行きも限られています。
そこに、あなたのロングブーツやスノーブーツは入るでしょうか?
答えは確実に「NO」です。
ショートブーツでさえ、高さがつっかえて入らないことが多々あります。
ましてや、保護者の人数分だけ下駄箱が空いている保証もありません。
当日、狭い玄関で「あれ? 入らない! どうしよう!」と焦り、無理やり押し込んで型崩れさせたり、仕方なく床に放置したりするのはマナー違反ですし、盗難や履き間違いのトラブルの元です。
大勢の保護者が出入りする玄関は、まさに戦場のような混雑ぶりです。
自分の靴の置き場がないというのは、思った以上に精神的なストレスになります。
必須アイテムは「大きめのサブバッグ」と「ビニール袋」
この問題を解決するための必須アイテムが、「大きめのサブバッグ(エコバッグ)」と「ビニール袋」です。
1. ビニール袋(ブーツ用)
脱いだブーツを入れるための袋です。
雪や泥がついていることが多いので、スーパーの袋のような薄いものではなく、厚手の大きめサイズ(ゴミ袋サイズに近いもの)を2枚ほど用意しましょう。
水滴が漏れないよう、二重にするのがおすすめです。
2. マチ付きの大きめサブバッグ
ビニールに入れたブーツを入れて、教室や体育館まで持ち運ぶためのバッグです。
フォーマルバッグに入りきらないスリッパや書類を入れるためのサブバッグを持っている方は多いですが、ブーツを入れることを想定した「マチ付きの大きなバッグ」を持っている方は意外と少ないです。
ブーツは思った以上に嵩張りますし、重さもあります。
片手で持てるようなトートバッグタイプで、色は黒や紺などの目立たないものを選びましょう。
100円ショップで売っているようなもので構いませんが、持ち手がしっかりしているか確認してください。
紙袋は、雪で濡れて底が抜ける可能性があるので避けた方が無難です。
これがあるだけで、当日のスマートさが劇的に変わります。
私自身、周りのママ友に「それ、持ってきて正解だね!」と羨ましがられたアイテムNo.1です。
「自分の靴は自分で管理する」。これが北海道の卒業式の鉄則です。
体育館は冷蔵庫!足元の防寒対策とタイツのマナー
「卒業式の体育館は、外と同じくらい寒い」
北海道のママたちの間では、これは決して比喩ではなく事実として語られます。
ジェットヒーター(大型ストーブ)が焚かれていても、広い体育館の天井の高い空間はなかなか暖まりません。
特に、冷たい床からシンシンと這い上がってくる冷気は、足元から容赦なく体温を奪っていきます。
「ベージュストッキング」じゃないとダメ?
フォーマルマナーの基本は「ナチュラルなベージュのストッキング」です。
しかし、氷点下に近い体育館で薄いストッキング一枚というのは、もはや修行の域です。
式典の後半、寒さで足の感覚がなくなり、感動して泣いているのか、寒くて震えているのか分からなくなる…なんてことになりかねません。
北海道の卒業式においては、「黒タイツ」も黙認されているのが現状です。
実際に、出席者の半数近くが黒っぽいタイツやストッキングを着用している年もありました。
ただし、真っ黒で分厚い「80デニール以上のタイツ」や「リブ編みのタイツ」は、どうしてもカジュアル感が出てしまいますし、喪服のような重たい印象を与えてしまうこともあります。
おすすめは、30デニール〜60デニールくらいの、ほんのり肌が透ける黒タイツや、チャコールグレーのタイツです。
これなら上品さを保ちつつ、寒さをある程度しのぐことができます。
「黒はちょっと…」という方は、厚手のベージュタイツを探してみてください。最近はストッキングに見えるベージュのタイツも売られています。
おすすめは「フェイクスキンタイツ」と「靴下用カイロ」
「透け感は出したいけど、寒さには勝てない」
そんな寒がりなママに全力でおすすめしたいのが、「フェイクスキンタイツ(フェイクタイツ)」です。
これは、内側がベージュの裏起毛素材になっていて、外側が黒のストッキング生地になっているアイテムです。
履くと、生地が伸びて内側のベージュが透け、まるで「黒のストッキングを履いて肌が透けている」ように見えます。
見た目は30デニール、でも実は1200デニール相当の暖かさ…という画期的な商品です。
これなら、見た目のフォーマルさを完璧に守りつつ、毛布を巻いているような防寒対策が可能です。
ネット通販や、北海道内のドラッグストア、衣料品店でも冬場はよく見かけます。
そしてもう一つ、忘れてはいけないのが「靴下用カイロ」です。
スリッパに履き替えた瞬間、床からの冷気が襲ってきます。
足の裏(特につま先)に貼るタイプのカイロを仕込んでおくだけで、体感温度は天と地ほどの差があります。
私はいつも、式典が始まる30分前にトイレなどでこっそりと貼り付けています。
スリッパこそ「厚底・防寒」を選ぶべき理由
最後に、スリッパ選びについても一言。
携帯用の折りたたみスリッパは、コンパクトで便利ですが、ソールがペラペラで薄いのが難点です。
冷たい体育館の床の上で1時間〜2時間過ごすには、防御力が足りません。
北海道の卒業式用には、少し荷物になっても「底が厚いしっかりしたスリッパ」を選ぶことを強くおすすめします。
最近では、内側がボア素材になったフォーマルスリッパや、ヒールがあって床からの距離を稼げるタイプも販売されています。
「床から1cm離れるだけで、温度は変わる」と思ってください。
足元の冷えは全身の冷えに繋がります。スリッパは「履物」であると同時に「防寒具」であると心得て選びましょう。
新たなる悩み「コートはどうする?」問題
足元の次に悩ましいのが、アウター(コート)です。
外は真冬並みの寒さ、でも中は式典。
「ダウンコートはカジュアルすぎる?」「式典中も着ていていいの?」
ここにも、北海道ならではの悩みがあります。
きれいめダウンかウールコートがベスト
結論から言うと、北海道の卒業式では「きれいめなダウンコート」を着ている方が圧倒的に多いです。
本州のマナーでは「トレンチコート」や「ウールコート」が推奨されますが、氷点下の北海道でトレンチコートは寒すぎます。
ただし、アウトドアブランドのロゴが大きく入ったダウンや、派手な色のダウンは避けましょう。
色は黒、ネイビー、グレー、ベージュなどのベーシックカラー。
表面にステッチ(縫い目)が少なく、マットな質感のものや、ウエストが絞られたデザインのものなら、スーツの上に着ても違和感がありません。
もちろん、車移動がメインで外をあまり歩かないのであれば、見た目重視でウールコートを選ぶのも素敵です。
その場合は、インナーダウン(ウルトラライトダウンなど)をスーツのジャケットの下に着込むなどの工夫が必要です。
式典中は「膝掛け」として活用する
「式典中、寒かったらコートを着たままでもいいの?」という疑問もよくあります。
基本的には、国歌斉唱や証書授与の際は脱ぐのがマナーですが、あまりに寒い場合は着席中に限り、着用していても咎められることはありません。
校長先生も「寒いですから、どうぞコートを着たままで」とアナウンスしてくれることもあります。
おすすめは、「脱いで膝掛けにする」スタイルです。
下半身をコートですっぽり覆ってしまえば、かなり暖かいですし、脱いでいるという姿勢も見せられ、マナー的にもスマートです。
このためにも、あまりにかさばるダウンよりは、ある程度畳みやすいコートの方が扱いやすいかもしれません。
大判のストールも一枚持っていくと、肩から掛けたり膝にかけたりと重宝しますよ。
当日のシミュレーション:朝から帰宅まで
ここまで対策を解説してきましたが、いまいち当日の動きがイメージできない…という方のために、私の経験をもとにした「卒業式当日のシミュレーション」をご紹介します。
【6:30 起床・天気チェック】
カーテンを開けて天候確認。
「よし、晴れてる!でも放射冷却で寒い!」
予報気温を確認し、タイツの厚さとカイロの枚数を決定します。
【8:30 家を出発】
スーツの上にきれいめダウン、足元は滑り止めのついたロングブーツ。
手にはフォーマルバッグと、ブーツを入れるための大きなサブバッグ。
車に乗り込む前に、雪道で転ばないよう慎重に歩きます。
【9:00 学校到着・玄関での戦い】
玄関は保護者と子供たちでごった返しています。
隅の方のスペースを見つけ、素早くブーツを脱ぎます。
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用意したビニール袋にブーツを入れる。
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それを持参したサブバッグに入れる。
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厚底スリッパに履き替え、つま先用カイロが効いているか確認。
この一連の流れをスムーズに行えると、心に余裕が生まれます。
【9:30 式典開始】
体育館へ。案の定、冷蔵庫のような寒さ。
コートを脱ぎ、綺麗に畳んで膝の上に。
フェイクスキンタイツとカイロのおかげで、足元の冷えは最小限。
厳粛な雰囲気の中、子供たちの入場を見守ります。
(ここで涙腺が崩壊しますが、ハンカチはフォーマルバッグからサッと取り出します)
【11:30 式典終了・教室へ】
最後のホームルームを見るために教室へ移動。
廊下も寒いですが、スリッパの底が厚いので床の冷たさは感じません。
【12:30 昇降口・写真撮影】
全ての行事が終わり、昇降口へ。
ここで再びブーツに履き替えます。
サブバッグからブーツを取り出し、スリッパをしまいます。
外に出て、看板の前で記念撮影。
「ママ、そのブーツ暖かそうだね」と子供に言われつつ、笑顔でパシャリ。
足元が安定しているので、子供と腕を組んでもふらつきません。
【13:30 帰宅・ランチ】
無事に帰宅。
「あー、寒かった!」と言いながら暖かい部屋へ。
足元対策を万全にしていたおかげで、風邪を引くこともなく、家族でお祝いのランチへ出かけられました。
いかがでしょうか?
このように、ポイントごとの動きをイメージしておくだけで、当日の不安はずいぶん解消されるはずです。
周りのママはどうしてる?北海道のリアルな着用率
最後に、やっぱり気になる「周りから浮かないか」ということについて。
ブーツ派とパンプス派の割合
私の体感ですが、ここ数年の北海道の卒業式における足元事情はだいたいこんな割合です。
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道中ブーツ・玄関で履き替え派:約7〜8割
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きれいめショートブーツのまま派:約1〜2割
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気合いのパンプス直行派:約1割未満
やはり、圧倒的に多いのは「履き替え派」です。
雪解けが進んで路面のアスファルトが出ているような年であればパンプス派が増えますが、雪が残っている場合はほとんどの方がブーツで来校しています。
つまり、「ブーツで行ったら浮くかな?」と心配する必要は全くありません。
むしろパンプスで無理して歩いている方が、少数派で目立ってしまう可能性すらあります。
先生方も基本的には「上履き」か「ブーツ」ですので、誰も保護者の足元を厳しくチェックなんてしていません。
失敗しないための「周りへの合わせ方」
それでも不安な場合は、事前にママ友と情報交換をするのが一番です。
「卒業式、靴どうして行く?」「やっぱりブーツで行って履き替えるよね?」
そんな会話を一つ交わしておくだけで、当日の安心感が違います。
もしママ友がいない場合でも、先輩ママのブログ(この記事のような!)を信じて大丈夫です。
また、当日の天候に合わせて柔軟に対応する心構えも大切です。
もし当日の朝、猛吹雪だったとしたら?
そんなときは、誰もマナーなんて気にしていられません。
みんな完全防備のベンチコートに長靴で現れるでしょう。
形式にとらわれすぎず、その場の状況に合わせて「無理のない範囲で、きちんとする」という姿勢があれば、決して失敗することはありません。
北海道の卒業式におけるママコーデのブーツマナーまとめ
北海道の卒業式は、寒さと雪との戦いです。
しかし、しっかりとした準備さえあれば、その戦いは必ず乗り越えられます。
最後に、この記事の要点をまとめます。
まとめ
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北海道の卒業式では、安全性と防寒が最優先のマナーである。
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最もスマートなのは、「道中ブーツ・校内スリッパ」の履き替えスタイル。
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ブーツのまま出席するなら、黒のきれいめショートブーツを選ぶ。
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学校の下駄箱は使えない前提で、ブーツが入る袋を必ず持参する。
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体育館の寒さ対策には、フェイクスキンタイツと厚底スリッパが最強。
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コートはきれいめダウンかウールを選び、式典中は膝掛けにする。
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周りの目よりも、自分自身の健康と転倒防止を第一に考える。
何より大切なのは、お子様の晴れ姿を、笑顔で見届けることです。
寒さで震えたり、転んで怪我をしたりして、せっかくの思い出が台無しになってしまっては意味がありません。
足元を暖かく、安全に守ることは、あなた自身のためでもあり、安心してお子さんを送り出すための準備でもあります。
準備を万全にして、北海道の厳しい冬の終わりの、温かな春の始まりを、心からお祝いしてきてくださいね。
行ってらっしゃい!