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GW三世代旅行におすすめ!バリアフリー宿の選び方と疲れない計画術

ゴールデンウィーク。

新緑が眩しいこの季節に、大好きなおじいちゃん、おばあちゃん、そして元気いっぱいのお孫さんを含めた三世代で旅行に行く。

 

想像するだけでワクワクする、かけがえのない家族のビッグイベントですよね。

久しぶりに家族全員が揃って、美味しいものを食べて、温泉に浸かって、夜は枕を並べて語り合う。そんな幸せな光景を思い浮かべて、「よし、今年のGWは私が幹事を頑張ろう!」と張り切っているパパやママも多いのではないでしょうか。

 

でも、正直に白状しましょう。楽しみな反面、心の奥底には言葉にできない「重圧」のような不安が渦巻いてはいませんか?

 

「足腰の弱い高齢者がいるのに、宿の移動ばかりで疲れさせてしまわないか」

「お風呂で転んで怪我でもしたらどうしよう」

「GWの大渋滞に巻き込まれて、トイレに行けず車内で体調を崩してしまったら……」

 

その不安、痛いほどよく分かります。なぜなら、私自身もかつて、その「リサーチ不足」が原因で、大失敗をした経験があるからです。

数年前のGW、私は足の悪い祖母を連れて、評判の良い温泉旅館へ行きました。ネットで「バリアフリー対応」というアイコンを確認して予約したはずでした。

 

しかし、いざ到着してみると、玄関には手すりのない高い石段が3段。

さらに、エレベーターを降りてから部屋に向かう廊下には、車椅子がギリギリ通れるかどうかの狭いクランクがあり、大浴場へ行くには長い渡り廊下と「風情ある」飛び石を越えなければなりませんでした。

「ごめんね、私が足手まといで……」

申し訳なさそうに小さくなる祖母の背中を見て、私は自分を責めました。

「もっと詳しく調べておけばよかった」と、後悔してもあとの祭りでした。

せっかくの家族旅行、こんな悲しい思いをすることだけは、絶対に避けたいものです。

 

この記事では、そんな苦い経験を持つ私だからこそ伝えられる、三世代全員が心から笑顔で過ごすための「本物のバリアフリー宿の見極め方」と「GWでも疲れない旅行計画のコツ」を徹底解説します。

 

単なるスペックの確認だけでなく、高齢者の心理や身体的なリスクまで踏み込んだ、プロの視点をお伝えします。これを読めば、あなたのGW旅行は「成功」間違いなしです。

 

ポイント

  • 公式サイトの「バリアフリー」表記を鵜呑みにせず玄関やトイレの写真を要確認

  • お風呂は転倒リスクのない「貸切風呂」か「露天風呂付き客室」を選ぶ

  • 食事会場は「椅子・テーブル席」の確約が必須条件

  • 寝室は起き上がりが楽なベッド完備の和洋室またはコネクティングルームを推奨

  • GWの移動は渋滞を避けたエリア選定と多目的トイレのあるSAの事前調査が鍵

  • 子供の遊び場と高齢者の休憩スペースが隣接する「滞在型ホテル」が最適解

 

宿選びの絶対条件「名ばかりバリアフリー」を見抜く3つのチェックポイント

三世代旅行の成功のカギは、9割が「宿選び」にかかっていると言っても過言ではありません。

「宿なんて寝るだけだから」と軽く考えてはいけません。高齢者やお子様連れにとって、宿は単なる宿泊場所ではなく、滞在時間の長い「生活の拠点」だからです。

 

ここで特に注意したいのが、「名ばかりバリアフリー」の存在です。

旅行予約サイトで「バリアフリー」の条件にチェックを入れて検索すると、たくさんの宿が出てきますよね。

でも、その基準は実は曖昧なんです。「玄関にスロープがあるだけ」でもバリアフリーと謳っている宿もあれば、「館内完全フルフラット」の宿もあります。

現地に行ってから「こんなはずじゃなかった」と青ざめないための、プロの視点によるチェックポイントを深掘りしていきましょう。

 

段差ゼロは本当か?玄関から客室・大浴場への動線確認

まず疑っていただきたいのは、「館内の移動距離」と「隠れた段差」です。

日本の温泉宿、特に歴史ある老舗旅館ほど、バリアフリー化が難しいという現実があります。

「増築に増築を重ねている」建物が非常に多いからです。

 

本館と別館がつながっている宿などは要注意です。

「エレベーターあり」と書いてあっても、それは「本館にはある」だけで、別館へ移動する際には一度エレベーターを降り、長い渡り廊下を歩き、そこでまた5段ほどの階段を降りないと大浴場へ行けない……なんて構造はザラにあります。

健常者なら気にも留めない「たった数段」や「緩やかな坂」が、足腰が弱い方や車椅子の方にとっては、エベレストのような高い壁になります。

 

また、意外な盲点が「客室の入り口」です。

「踏み込み」と呼ばれる玄関部分に、15センチほどの高い段差がある和室は一般的です。

ここで靴を脱いで上がる動作は、膝に大きな負担がかかりますし、手すりがないと転倒のリスクが跳ね上がります。

公式サイトを見る際は、綺麗に加工された料理や露天風呂の写真に目を奪われないでください。


必ず探すべきは「館内マップ(見取り図)」です。

  • 予約しようとしている部屋は、エレベーターから近いか?

  • 大浴場や食事会場へ行くのに、建物を移動(渡り廊下)する必要があるか?

これらを確認してください。

もしマップが見つからない、あるいは見てもよく分からない場合は、遠慮なく宿に電話をしましょう。

 

「足の悪い80代の祖母がいるのですが、エレベーターから部屋まで、また部屋からお風呂まで、階段や段差は一箇所もありませんか? スロープはついていますか?」

ここまで具体的に聞いて初めて、本当の姿が見えてきます。

「少々段差がございますが、スタッフがお手伝いします」と言われることもありますが、毎回スタッフを呼ぶのは高齢者にとって心理的負担(気兼ね)になります。

可能な限り、自力で、あるいは家族の少しのサポートで移動できる動線の宿を選ぶのが鉄則です。

 

車椅子・杖利用でも安心?エレベーターと廊下の幅

次にチェックしたいのが、通路や設備の「幅」と「スペース」です。

ここも、多くの人が見落とすポイントです。

車椅子を利用する場合、単に通れるだけでなく「回転できるスペース」があるかどうかが、快適さを天と地ほど分けます。

 

最も深刻なのが「トイレ」です。


「洋式トイレあり」と書いてあっても、それがビジネスホテルのユニットバスのような狭さだったらどうでしょう?

ドアを開けて、車椅子で中に入ろうとしても、便器にぶつかって旋回できない。

結局、ドアを開けっ放しにして、家族が外で見張りをしながら用を足す……。

これは、ご本人にとって非常に屈辱的で、プライドを深く傷つける体験になってしまいます。

 

また、エレベーターのサイズも重要です。

定員4名程度の小さなエレベーターの場合、車椅子が一台入るともう満員です。

介助者が乗るスペースがギリギリだったり、他のお客さんと一緒になると気まずい沈黙が流れたりします。

夕食時やチェックアウト時の混雑時には、何回もエレベーターを見送ることになり、これもまた「みんなを待たせている」という高齢者の罪悪感を刺激してしまいます。

 

公式サイトの写真は、広角レンズで撮影されていることが多く、実際よりも広く見える「不動産屋のマジック」がかかっていると思ってください。

 

電話確認の際は、以下のキラーフレーズを使ってみてください。

「車椅子のまま客室のトイレに入り、中で回転してドアを閉めることは可能ですか?」

もしこれで「あー、ちょっと厳しいかもしれません」と言われたら、その部屋は避けるべきです。

「バリアフリートイレ」が館内の共有スペース(ロビーなど)にあるかどうかも、合わせて確認しておくと安心材料になります。

 

車寄せの有無と駐車場からフロントへのアクセス

宿に到着した瞬間、旅の第一印象が決まります。

ここで意外と見落としがちなのが、「駐車場からフロントまでの動線」です。

 

理想的なのは、ホテルのエントランスに大きな屋根付きの「車寄せ」があり、そこに車を横付けできる構造です。

これなら、高齢者と荷物だけ先に降ろし、パパだけが車を駐車場に回しに行くことができます。

しかし、車寄せがない、あるいはあっても狭くて使えない宿の場合、離れた駐車場から全員で歩かなければなりません。

その道のりが、美しく整えられた「玉砂利」だったり、「急な坂道」だったりしたら大変です。

 

車椅子の場合、砂利道はタイヤが埋まってしまい、押すのに相当な力が必要です。

ガタガタと振動が伝わるのも、乗っている本人には不快です。

さらに、もし到着時に雨が降っていたら?

傘をさして、荷物を持って、車椅子を押して、坂道を上がる……想像しただけで疲労困憊ですよね。

「玄関前に車をつけられますか?」
「駐車場からフロントまでは舗装されていますか? 屋根はありますか?」

この質問をしておくだけで、到着時の第一印象が「疲れた、もう帰りたい」になるか、「スムーズで快適、来てよかった」になるかが決まります。

 

もし構造上、駐車場が遠い場合でも、事前に相談しておけば、スタッフの方が台車を持って玄関で待機してくれたり、特別な業務用口を使わせてくれたりと、配慮をしてくれることもあります。

「知らなかった」で済ませず、事前の確認こそが幹事の腕の見せ所です。

 

高齢者も子供も快適に過ごすための「部屋・食事・お風呂」の正解

宿の「ハード面(構造)」を確認したら、次は滞在中の「ソフト面(過ごし方)」に目を向けましょう。

 

お風呂、寝室、食事。

これらは旅の3大楽しみであると同時に、高齢者にとっては「3大不安要素」でもあります。

 

「みんなに迷惑をかけたくない」と思って我慢しがちな高齢者の本音を汲み取り、先回りして対策を打つことが、三世代旅行成功の秘訣です。

 

【お風呂】大浴場の不安を解消する「貸切風呂・露天風呂付き客室」

温泉旅行の醍醐味といえば、広々とした大浴場。


しかし、高齢者にとって大浴場は、リラックスできる場所ではなく、緊張を強いられる戦場かもしれません。

  • 転倒リスク: 温泉成分でヌルヌルした床は、健常者でも滑ります。足腰が弱い方にとっては氷の上を歩くようなものです。

  • 温度差のリスク(ヒートショック): 脱衣所と浴室の温度差は、心臓に大きな負担をかけます。

  • 羞恥心: 手術の痕があったり、オストメイトをつけていたりする場合、他人に見られるのを極端に嫌がる方もいます。

「せっかくだから大きなお風呂に入っておいでよ」という家族の何気ない勧めが、プレッシャーになることもあるのです。

 

そこで強くおすすめしたいのが、「貸切風呂(家族風呂)」の活用です。

 

これなら、もし入浴介助が必要な場合でも、家族(異性であっても)だけで気兼ねなくサポートできます。

脱衣所まで車椅子で入れるところも多いですし、周囲の目を気にする必要もありません。

手すりがついているか、洗い場に段差がないかを確認し、予約時に「バスチェア(介護用のお風呂椅子)」「滑り止めマット」の貸し出しをお願いしておくと、さらに安心です。

特にバスチェアは、低いお風呂椅子だと立ち上がれなくなる方にとって必須アイテムです。

 

そして、もし予算に少し余裕があるなら、「露天風呂付き客室」は最強の選択肢です。

部屋から移動することなく、好きなタイミングで、好きな温度で、何度でも温泉を楽しめる。

これは移動がおっくうになりがちな高齢者にとって、最高の贅沢であり、何よりの親孝行になります。

 

私自身、以前祖母のために奮発して露天風呂付き客室を予約したことがあります。

「大浴場は怖いから入らない」と言っていた祖母が、部屋のお風呂には朝晩3回も入り、「こんなにゆっくりお湯に浸かったのは何年ぶりだろう。

生き返ったようだ」と涙ぐんで喜んでくれました。

その笑顔を見たとき、「ああ、この宿を選んで本当によかった」と心から思いました。

プライスレスな価値が、そこにはあります。

 

【寝室】布団での寝起きはNG!ベッド完備または和洋室の確保

「温泉旅館といえば畳に布団。それが風情でしょう」

その感覚、ちょっと待ってください。

 

若い世代には新鮮な畳と布団も、膝や腰が悪い高齢者にとっては「拷問」に近い場合があります。

床に敷かれた低い布団から起き上がる動作には、強い腹筋と背筋、そして膝の力が必要です。

一度横になったら最後、何かに掴まらないと自力では起き上がれない……という高齢者は意外と多いのです。

 

さらに深刻なのが、夜中のトイレです。

高齢になると、夜間に何度もトイレに起きます。その度に、暗い中で苦労して布団から起き上がるのは大変なストレスです。

「起きるのが大変だから」と、水分を控えて脱水症状になってしまったり、我慢して膀胱炎になったりしては元も子もありません。

ですから、寝室は必ず「ベッド」がある洋室、または畳のくつろぎスペースとベッドルームを兼ね備えた「和洋室」を選びましょう。

ベッドがあれば、腰掛けるようにして足を下ろすだけで楽に立ち上がれます。

 

「でも、どうしても泊まりたい宿が和室しかない……」

そんな時は諦めずに、宿に聞いてみてください。

「簡易ベッド」の貸し出しを行っている宿が増えています。

これは、畳の上に置ける高座椅子のような高さのあるベッドです。

これ一つあるだけで、夜の安心感が劇的に変わります。

 

また、ベッドの配置も重要です。

壁際に寄せすぎていると、介助スペースが取れません。

「ベッドの片側を空けておいてほしい」といったリクエストも、事前に伝えておくとスムーズです。

 

【食事】正座不要のテーブル席確約と刻み食などの個別対応

旅の最大の楽しみ、食事。

ここでも「和室の罠」が待ち受けています。

 

美しい会席料理も、畳の上で正座をして、あるいは低い座椅子に座って食べるとなると、足のしびれや痛みが気になって味どころではありません。

痛みをこらえながらの食事は、消化にも悪そうです。

予約の段階で「椅子・テーブル席(イステーブル)」を確約してもらうことは必須条件です。

「できれば」ではなく、「必須」と伝えましょう。

最近は畳の宴会場でも、高齢者向けに高座椅子を用意してくれる宿が増えていますが、数に限りがあることも多いので、早い者勝ちです。

 

また、料理の提供スタイルについても一考が必要です。


子供たちが喜ぶ「バイキング(ビュッフェ)」は、好きなものが食べられて楽しい反面、高齢者にはハードルが高いことがあります。

  • 広い会場を、重いトレイを持って歩き回るのが辛い。

  • 料理を取るトングを使う握力が弱い。

  • 人混みとガヤガヤした音だけで疲れて食欲が失せる。

理想は、座ったままサービスを受けられる「会席料理」のコースか、あるいはバイキングであっても、メイン料理はテーブルまで運んでくれる「ハーフビュッフェ」形式です。

フルバイキングの宿を選ぶ場合は、料理に近い席を確保してもらい、料理を取りに行くのはパパやママが代行する「ワゴンサービス」をしてあげるのが良いでしょう。

 

さらに、噛む力や飲み込む力が弱くなっている場合は、食材を小さくカットしてもらう「刻み食(一口大カット)」や、お肉を柔らかく調理してもらうリクエストも可能です。

「わがままかな?」と遠慮する必要はありません。

「硬いものが食べにくいので、アワビは薄くスライスしてください」
「お箸だけでなく、スプーンとフォークも用意してください」


こうした具体的な要望は、宿側にとっても「食べ残しが減る」というメリットがあり、快く対応してくれることがほとんどです。

 

【部屋割り】三世代同室かコネクティングルームか?

予約時に一番頭を悩ませるのが「部屋割り」です。

「せっかくの三世代旅行だから、みんなで同じ大部屋に泊まってワイワイ過ごしたい」

その気持ち、痛いほど分かります。枕投げなんてしたら楽しそうですよね。

 

しかし、冷静になって「生活リズムの違い」を思い出してください。

 

小さなお子さんは、旅行の興奮で夜遅くまで起きて騒いでいるかもしれません。

一方、おじいちゃんおばあちゃんは、普段通り朝の4時や5時に目が覚めてしまうかもしれません。

 

同じ部屋だとどうなるでしょう?

夜は子供の声で高齢者が眠れず、朝は高齢者のゴソゴソする音やテレビの音で子供やパパママが叩き起こされる……。

これでは全員が寝不足になり、翌日の不機嫌の原因になります。

また、いびきの問題もあります。「お義父さんのいびきがうるさくて一睡もできなかった」なんて、嫁姑問題に発展しかねません。

 

そこでおすすめなのが、「コネクティングルーム」です。


これは、隣り合った2つの部屋が、内側のドアで行き来できるタイプの部屋のこと。

廊下に出ることなく往来できるので、起きている間はドアを開け放して「二間続きのスイートルーム」のように使い、寝る時はドアを閉めれば、それぞれのプライバシーと静寂が完全に保てます。

もしコネクティングルームがない場合は、「隣同士の部屋」をリクエストするか、広い和洋室を選び、和室部分(布団)と洋室部分(ベッド)を襖や障子でしっかり仕切れるタイプを選びましょう。

 

「つかず離れず」の距離感。

これこそが、三世代旅行を円満にし、お互いにストレスなく過ごすための最大の知恵です。

 

GWの渋滞・混雑地獄を回避する「疲れない行程」の作り方

宿が決まって一安心……ではありません。

ゴールデンウィークという時期特有の「魔物」と戦わなければなりません。

そう、「渋滞」と「混雑」です。

 

どこに行っても人、人、人。

高速道路は真っ赤な渋滞マークで埋め尽くされ、SAに入るだけで30分待ち。

元気な若者でもぐったりするこの状況は、体温調節機能が低下している高齢者や、じっとしていられない子供にとっては、過酷なサバイバル環境です。

 

ここでは、そんな「GW地獄」を回避し、涼しい顔で旅行を楽しむための賢い戦略をご紹介します。

 

渋滞回避の鉄則!「逆方向」への旅行と公共交通機関の活用

まず根本的な戦略として検討したいのが、行き先の「エリア選定」です。

GWの人の流れには法則があります。基本的には「都心から地方へ(下り)」が混雑し、後半は「地方から都心へ(上り)」が混雑します。

 

ならば、あえてその流れに「逆らって」みるのはいかがでしょうか。

 

例えば、地方にお住まいなら、あえて都心のホテルへ泊まりに行く。

都心にお住まいなら、さらに都心の高級ホテルへ泊まる「ステイケーション」を楽しむ。

普段はビジネスマンでごった返す東京のオフィス街も、GW中は驚くほど空いていて、道路もガラガラだったりします。

美術館や公園もゆっくり楽しめますし、何より移動のストレスがゼロです。

 

もしどうしても人気の観光地へ行くのであれば、「車移動」を捨てる覚悟も必要です。

高齢者にとって、狭い車内で何時間も座り続けることは、腰痛の悪化だけでなく、「エコノミークラス症候群(血栓症)」のリスクがあり、命に関わります。

 

「新幹線+現地タクシー(またはレンタカー)」

この組み合わせを強くおすすめします。

新幹線ならトイレの心配もありませんし、駅弁を食べながら楽しく移動できます。

現地では「介護タクシー(福祉タクシー)」やレンタカーを使って、ポイントを絞って回る。

費用は少しかかりますが、渋滞で失われる時間と体力、そして家族の機嫌をお金で買うと思えば、決して高い投資ではありません。

 

また、荷物は事前に「宅配便」で宿に送っておきましょう。

大きなスーツケースを持っての移動は、バリアフリーの観点からは最悪です。

「手ぶら」であること。これだけで、移動の難易度は半分以下になります。

 

トイレ休憩は「オストメイト対応」があるSA・PAを事前にリスト化

どうしても車で移動する必要がある場合、最大の懸念事項は「トイレ」です。

 

渋滞に巻き込まれた時、高齢者の方、特に頻尿気味の方や、オストメイト(人工肛門・人工膀胱)を使用されている方にとって、トイレの我慢は精神的にも肉体的にも限界を超えてしまいます。

「漏らしてしまったらどうしよう」という恐怖心は、私たちが想像する以上に凄まじいものです。

「行きたくなったら探そう」では手遅れになります。GWのSAは、トイレに入るまでに長蛇の列ができているからです。

出発前に、ルート上にあるサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)を地図アプリやNEXCOのサイトで確認し、以下の条件を満たす場所をリストアップしておきましょう。

  1. 多目的トイレの数: 1つしかないと埋まっている可能性があります。複数ある大規模SAが狙い目です。

  2. オストメイト対応設備: 洗浄機能などがついているか。

  3. 駐車場の広さと混雑予想: 満車で入れないリスクを避けるため、手前のPAも候補に入れます。

そして走行中は、本人が「行きたくない」と言っても、こまめに(1時間に1回程度)休憩を挟むように誘導してあげてください。

「お父さんトイレ大丈夫?」と聞くと、「大丈夫だ」と強がってしまうのが親心です。

「ちょっと私がコーヒー飲みたいから寄っていい?」「子供のおむつ替えたいから」と、運転手や孫を理由にすれば、気を使わせずにスムーズに休憩できますよ。

 

孫は遊び、祖父母は休憩。「滞在型リゾート」なら全員満足

観光地をあちこち巡る「周遊型」の旅行は、三世代旅行には不向きです。

「あそこも見たい、ここも行きたい」と欲張ると、移動だけで終わってしまいます。

子供は公園で遊びたい。
大人は映える景色を見たい。
高齢者はもう歩きたくない、座って休みたい。

この異なるニーズを全て満たそうとして、全員でゾロゾロ動くのは不可能です。誰かが我慢することになります。

 

そこでおすすめなのが、ホテル内で全てが完結する「滞在型リゾート」です。


敷地内にプール、温泉、体験工房、庭園、レストランなどが揃っている大型ホテルです。

ここなら、こんな過ごし方ができます。

午前中、子供たちとパパママはプールで大はしゃぎ。

その間、おじいちゃんおばあちゃんは、プールの見えるラウンジでコーヒーを飲みながら読書をしたり、部屋でマッサージを受けたりしてのんびり過ごす。

お昼に合流してランチを食べ、午後はみんなで簡単な工作体験をする。

 

このように「同じ場所にいるけれど、別々の時間を楽しめる」環境こそが、体力差のある三世代旅行には最適解なのです。

 

「せっかくの旅行なんだから、ずっと一緒にいなきゃ」と縛られる必要はありません。

「夕食までは自由行動ね!」と割り切ることで、お互いに気を使わず、それぞれのペースでリフレッシュできます。

祖父母にとっても、「孫の世話をさせられている」という疲れを感じずに、「孫の楽しそうな姿を見る」といういいとこ取りができるわけです。

 

万が一に備えるリスク管理と予約時の「伝え方」

どれだけ完璧に準備をしても、旅先では予期せぬトラブルが起こるものです。

特に環境の変化に弱い高齢者や子供は、急に熱を出したり、いつもと違う食事でお腹を壊したりすることもあります。

最後の仕上げとして、幹事が知っておくべきリスク管理と、宿へのスマートな伝え方を確認しておきましょう。

 

周辺の救急病院と夜間診療所の事前リサーチ

楽しい旅行の最中に考えたくはないことですが、「もしも」の時にパニックにならないよう、宿周辺の医療機関を調べておくことは幹事の義務であり、お守りです。

  • 夜間・休日救急を受け入れている病院はどこか?

  • 宿から車で何分かかるか?(救急車を呼ぶべきか、タクシーで行ける距離か)

これらをGoogleマップで調べ、スマホのメモに残しておくだけで、いざという時の冷静さが違います。

また、出発前にはご両親に以下のセットを必ず持参するよう、念押ししてください。

  1. お薬手帳(スマホアプリでも可): 普段飲んでいる薬の情報は、救急搬送時に非常に重要です。

  2. 健康保険証・後期高齢者医療被保険者証

  3. 診察券

  4. 常備薬(予備を含めて多めに)

特に薬は、「行きのカバンに入れたつもりが、食卓に忘れてきた」というケースが多発します。

予備の分を、パパやママが預かって持っておくくらいの慎重さがあっても良いかもしれません。

また、国内旅行傷害保険への加入も検討しましょう。数百円で入れるものもあり、万が一の怪我や賠償責任(宿の備品を壊してしまったなど)をカバーできます。

 

予約時の備考欄に書くべき「具体的な要望」テンプレート

最後に、宿を予約する際の「伝え方」のテクニックです。

多くの人が、予約サイトの備考欄に「足が悪いです」とだけ書いて満足してしまいます。

 

しかし、宿のスタッフはプロですが、超能力者ではありません。

「足が悪い」といっても、杖があれば歩けるのか、車椅子なのか、数段の階段も無理なのか、人によって千差万別です。

情報が足りないと、宿側も「どう配慮すればいいのか分からない」と困ってしまい、結果として一般的な対応しかできません。

こちらの事情をオープンにし、具体的に要望を伝えることで、宿側の「おもてなしスイッチ」を入れることができます。


以下のテンプレートを参考に、コピペして使ってみてください。

 

【宿への要望メッセージ例:完全版】

ご担当者様

今回、80代の祖母を含めた三世代(大人4名、子供2名)で宿泊を楽しみにしています。
祖母は足が悪く、長い距離の歩行や階段の昇り降りが困難です(平地では杖を使用、長距離は車椅子利用)。

つきましては、可能な範囲で構いませんので、以下の点についてご配慮いただけますと幸いです。

  1. お部屋について: 移動の負担を減らすため、エレベーターに近いお部屋をご用意いただけないでしょうか。

  2. お食事について: 正座が難しいため、座敷ではなく「椅子・テーブル席」の確約をお願いいたします。また、お箸だけでなくスプーンのご用意もあると助かります。

  3. 到着時について: 車椅子を1台持参します。玄関前に車をつけさせていただき、乗降のサポートをお願いできると助かります。

お忙しい時期に恐縮ですが、家族にとって大切な記念旅行ですので、よろしくお願いいたします。

 

このように、「現状(杖使用)」と「要望(エレベーター近く)」をセットで、かつ丁寧に伝えます。

最後に「大切な記念旅行です」と一言添えるのがポイントです。宿の方も人間ですから、「この家族のために頑張ろう」と思ってくれるはずです。

 

三世代でのGW旅行バリアフリー対応宿おすすめ計画まとめ

GWの三世代旅行は、ただの旅行ではありません。

家族の絆を深め、親孝行をし、子供たちに思い出を残す一大プロジェクトです。

 

その成否は、当日の頑張りではなく、事前の「リサーチ」と「宿選び」で9割が決まります。


「なんとなく良さそう」という感覚で選ぶのではなく、高齢者の身体的・心理的負担を徹底的に想像し、排除してあげること。

そして、「詰め込みすぎない」余裕を持ったスケジュールを組むこと。

これができれば、トラブルは防げます。

 

まとめ

  • 公式サイトの「バリアフリー」表記を過信せず、段差や動線を写真と電話で具体的に確認する

  • お風呂は転倒防止のため「貸切風呂」や「露天風呂付き客室」を選び、グッズの貸出も依頼する

  • 寝室はベッド完備の洋室か和洋室、食事は椅子テーブル席の確約が必須

  • 部屋割りはコネクティングルームを活用し、三世代の生活リズムとプライバシーを守る

  • GWの移動は逆方向や新幹線を検討し、オストメイト対応トイレのあるSAを把握しておく

  • 観光詰め込み型ではなく、ホテル内で完結する「滞在型リゾート」で別行動の時間を作る

  • 予約時には「足が悪いのでエレベーター近く希望」など、具体的な要望を伝える

 

「ちょっと心配しすぎかな?」と思うくらいのリサーチが、当日の「行ってよかった!」「こんなに快適な旅行は初めてだ」という最高の笑顔に繋がります。

 

あなたが一生懸命考えたプランなら、きっとご家族全員にその想いは伝わります。

ぜひ、この記事を参考にして、おじいちゃんもおばあちゃんも、そしてお孫さんも、みんなが心から楽しめる素敵なGW旅行を計画してくださいね。

素晴らしい思い出になりますように!

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